「ずっと正社員でいてほしい」と頼む彼氏と結婚しても大丈夫? 女性の投稿が大炎上 専門家に聞いた

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「家庭の運営の両輪は『稼ぎ』と『務め』です」

――今回の投稿と回答を読み、率直にどんな感想を持ちましたか?

川上敬太郎さん「家庭を運営していくには、生活費を獲得するために必要な『稼ぎ』と、家事や地域活動など生活を回していくために必要な『務め』の両方が欠かせません。これまでは夫が『稼ぎ』を担当し、妻が『務め』を担当するという暗黙の了解がありました。しかし価値観の多様化に伴ってその前提は崩れ、『稼ぎ』と『務め』を誰がどう担うかは、ご家庭ごとに異なっています」
「彼氏は、自分一人の力では十分な『稼ぎ』が得られないかもしれないという不安から、投稿者さんに『正社員でいてほしい』と言ったのだと思います。ただ、『正社員でいてほしい』ということは、対等に共働きすることを望んでいるということです。しかしながら、『務め』である家事と育児については、折半することに消極的な反応を示しています。それはフェアではありません。多くの女性が指摘している通り、筋が通らない話だと感じます」

――確かにダンマリを決め込んだことには多くの人が激怒しています。彼氏の態度についてはどう考えますか?

川上さん「彼氏のダンマリに、投稿者さんは煮え切らない思いを抱え、不満を蓄積していくことになると思います。結婚して一生添い遂げることを考えると、この不満の蓄積は後々大きく響いてくるはずです。お二人の行く先が明るくなるとは思えません」
「一部に、子どもが生まれたら彼氏の態度は変わるかもしれない、価値観教育をしてみるべきだという意見もあります。しかし、確実にそうなるとは言い切れません。投稿者さんは、彼氏の考えが変わらないことも覚悟しなければなりません。もしお子さんが生まれて、彼氏が案の定、家事育児に携わらない場合に、そのしわ寄せがお子さんにいかないようにするのは親としての責任です。夫婦二人だけで完結できる話ではない点は、重々認識しておく必要があります」

――一方で、投稿者自身に「最初からパート志向が感じられ、正社員を続けたいという強い意識が感じられない」「正社員でいる道を探るべきだ」とアドバイスする意見があります。こうした意見については、どう考えますか。

川上さん「確かに投稿者さん自身が、『稼ぎ』と『務め』についてどうしたいと考えているかを明確に意思表示していない点は気になります。彼氏に『どうして欲しい?』と尋ねていますし。夫婦は家庭の共同経営者なのですから、自分はどうしたいと考えているのかをきちんと示した上で意見を聞くスタンスが必要です。彼氏は『務め』に対して消極的ですが、投稿者さんも『稼ぎ』に対して消極的な気持ちなのではないかと思ってしまいます」
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