「スマートビジネス」を標ぼう
確かに、規模が違うという意味は込めているのかもしれないが、本書のタイトルにあるように、アリババは、単にeコマースやネットを通じたサービスではなく、本書のタイトルにあるように「スマートビジネス」を標ぼう、成り立ちや果たしている役割が違うという。アリババは「小売業にかかわるすべての機能を果たすために、出店者、マーケティング会社、サービスプロバイダー、配送会社、メーカーから成る」グループ会社で、そのネットワークはデータにより調整・管理されて有機的に機能している。
「つまり、アメリカでアマゾン、イーベイ、ペイパル、グーグル、フェデックス、あらゆる卸売会社、そして相当な数のメーカーが果たしている機能、さらにはそこに、金融セクターの機能のほんの一部を加えたものを狙っている」
という。
アリババが展開している主なサービスには、BtoCのECサイトの天猫のほか、BtoBのECサイト・アリババドットコム、越境ECサイト・天猫国際、CtoCのECサイト・タオバオマーケットプレイス、決済のアリペイ、クラウドコンピューティングのアリババクラウドコンピューティングなどがある。物流でも、パートナー企業はアリババのネットワークにあり、インターネット時代ならではのビジネス・エコシステムを構築している。
アリババが今後目指すのは、進化が著しい機械学習を生かしての合理化された事業運営であり、モバイルインターネット、クラウドコンピューティングなど最先端のテクノロジーを活用してビジネスに根本的変革をもたらすことという。