労組側「スマホ禁止は労組を無力化する意図がある」
今回、再び会社側は勤務時間中のWi-Fi接続の遮断措置に出たのだった。朝鮮日報(12月24日付)「現代自動車、勤務中のWi-Fi使用を24日から再び制限へ 」が、経緯をこう伝えている。
「蔚山工場内部で操業中のWi-Fi接続を遮断することをめぐって労働組合と摩擦を繰り広げていた現代自動車が12月23日、24日午前0時から再びWi-Fi接続制限措置を実施すると発表した。現代自は今月9日にも工場内でのWi-Fi接続を食事時間と休憩時間のみ許容し、工場が稼働している時間には遮断することにした。すると、労組が強く反発したため、わずか2日後の11日、制限措置を解除した」
現代自動車の労使双方は2011年と16年、労使間の団体協約を通じ、工場内のWi-Fi設置と使用に合意している。労働者側はこれを「24時間接続が許容される」と受け取り、会社側はいわば黙認してきたのだった。
朝鮮日報が続ける。
「現代自は、再び接続制限を決めた理由として、生産職労働者が作業中に勝手にインターネットを使用し、生産効率が低下するうえに、安全事故が発生する危険性が高くなったことを挙げた。特に、労使間の協約の成立後、勤務時間に頻繁にスマホやタブレットで『別のこと』をする社員が急増し、生産性低下に関する問題が提起されていた。現代自の労使双方はその後、Wi-Fi使用時間をめぐって何度か協議したが、合意には至らなかった」
前回、朝鮮日報が社説「映画を見ながら組み立て作業、国民はこんな車に乗らなければならないのか」(12月12日付)と訴えるなど、メディアから袋叩きにあっても従業員の「スマホ作業」は収まらず、労組側もWi-Fi接続時間の協議に応じなかったのである。
朝鮮日報は、こう結んでいる。
「労組は、会社側が労組の同意なしに一方的にWi-Fi接続を制限するのは労組を無力化する意図があると主張してきた。会社側は、Wi-Fiの24時間使用自体に合意したことはなく、勤務中のWi-Fi使用は非常識だと反発してきた。労組は会社側が制限措置を実施した場合、いくつかの対応案を議論する予定だという」
今回も組合側はストライキも辞さない構えを崩さない。韓国最大の自動車企業が組合の理不尽な要求に屈服するかどうか、国民は固唾を飲んで見守っている。
(福田和郎)