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数々の話題をまいたZOZO創業者で前社長の前澤友作氏が、今年もっとも学生に人気があった「起業家」と「ベンチャー企業」の2部門でダントツの1位に輝いた。
「予想外の発想がスゴイ」「月に行くから」
大学生向け総合メディア「マイナビ」は2019年12月20日、「大学生が選ぶトレンドアワード2019」を発表した。
「2019年に大学生がもっとも尊敬した起業家・経営者ランキング」では前澤友作氏が97票で1位に。
「突き抜けていてスゴイ」
「月に行くから」
「現金プレゼント企画は、予想外の発想でスゴイと思った」
など、公私の話題で一挙手一投足が注目された。SNSやメディア活用も一流の手腕で、昨年2位から今年は見事1位に(図表1参照)。
2位はソフトバンク創業者の孫正義氏(90票)。
「もっとも成功している」
「投資に失敗したけど尊敬する」
「様々な事業を展開しており、この先どこまで成長していくのか気になるから」
と、昨年3位だった孫正義氏も順位を1つ上げて2位に。ほかにも行動力・手腕・親しみ・影響力・一貫性など様々な角度から賞賛の声が寄せられている。
3位は堀江貴文氏(65票)。
「時代を生き抜いている」
「最近ロケットの開発に取り組んでいて、多種多様な分野に挑戦しているから」
といった事業面で常に新しいことにもチャレンジするだけでなく、
「話す内容が率直で説得力があるから」
と、さまざまなニュースで発言力と発信力を発揮することも評価を高めたようだ。
昨年1位のスティーブ・ジョブズ氏(Apple共同創業者)は4位に。以下5位前田裕二氏(SHOWROOM創業者)、6位三木谷浩史氏(楽天創業者)、7位松下幸之助氏(松下電機=現パナソニック創業者)、8位豊田章男氏(トヨタ自動車社長)、9位渋沢栄一氏(明治・大正の財界人、新1万円札の顔)、10位ビル・ゲイツ氏(マイクロソフト共同創業者)が入った。
「日本では稀有なお騒がせ企業家」
一方、「2019年に大学生がもっとも注目したベンチャー企業ランキング」でも、前澤友作氏が前代表を務めたZOZO(41票)が、昨年1位のメルカリを抜いて1位に躍進した(図表2参照 )。
「短期間に大きく成長して市場を開拓した」
「斬新なアイデアがたくさんあった」
「よくショッピングに利用する」
「ヤフーと統合したのが衝撃的だった」
などと、もともとサービスを使っている大学生ユーザーの根強い支持の声が多かった。また、
「お騒がせな人だった前澤氏の影響力がスゴイ」
と、よくも悪くも、前澤友作氏の露出で同社の注目度が上がったことは間違いない。日本では稀有な企業家のタイプで、今後についても大学生が寄せる期待の高さがうかがえる。
2位に落ちたメルカリ(32票)は、それでもメルペイの還元キャンペーンで大学生から注目を集めた。
「メルペイの半額還元キャンペーンに度肝を抜かれ、とうとう始めてしまった」
「取引しやすい。おもしろい。欲しいものが買える」
「鹿島アントラーズのメインスポンサーになってくれた」
「いろいろお世話になったから」
などと、このランキングではさまざまな企業名があがる中で、「お世話になった」というコメントが見られたのはメルカリだけだ。それだけ大学生に寄り添ったサービスであることがうかがえる。
3位の楽天(21票)は大企業だが、ベンチャーマインドを感じさせる攻めのビジネスと、楽天ポイントを貯めている学生が、実生活で恩恵を実感していることが大きい。
「ポイントを軸にしたビジネスモデルがすごい」
「サービスの多さ、社内の公用語の統一など面白い会社」
「同社の経済圏で生活するとポイントがたまりやすく便利」
ちなみに5位の「PayPay」も、QRコード決済の還元キャンペーンの火付け役となり、彗星のごとく現れてランクインした。キャッシュレスは大学生の注目度が高まっているのだ。
以下、4位サーバーエージェント(インターネットテレビ局)、5位PayPay(電子決済)、6位ユーグレナ(ミドリムシ健康食品)、7位LINE(情報通信)、8位Amazon(情報通信)、8位ソフトバンク(情報通信)、9位いちから(スマホアプリ開発)、9位Apple(情報通信)、9位WeWork(起業家向けコワーキングスペース)だった。
なお調査は、全国の大学生・短大生・大学院生の男女計1500人を対象に自由回答でアンケートを行った。
(福田和郎)