「日本では稀有なお騒がせ企業家」
一方、「2019年に大学生がもっとも注目したベンチャー企業ランキング」でも、前澤友作氏が前代表を務めたZOZO(41票)が、昨年1位のメルカリを抜いて1位に躍進した(図表2参照 )。
「短期間に大きく成長して市場を開拓した」
「斬新なアイデアがたくさんあった」
「よくショッピングに利用する」
「ヤフーと統合したのが衝撃的だった」
などと、もともとサービスを使っている大学生ユーザーの根強い支持の声が多かった。また、
「お騒がせな人だった前澤氏の影響力がスゴイ」
と、よくも悪くも、前澤友作氏の露出で同社の注目度が上がったことは間違いない。日本では稀有な企業家のタイプで、今後についても大学生が寄せる期待の高さがうかがえる。
2位に落ちたメルカリ(32票)は、それでもメルペイの還元キャンペーンで大学生から注目を集めた。
「メルペイの半額還元キャンペーンに度肝を抜かれ、とうとう始めてしまった」
「取引しやすい。おもしろい。欲しいものが買える」
「鹿島アントラーズのメインスポンサーになってくれた」
「いろいろお世話になったから」
などと、このランキングではさまざまな企業名があがる中で、「お世話になった」というコメントが見られたのはメルカリだけだ。それだけ大学生に寄り添ったサービスであることがうかがえる。
3位の楽天(21票)は大企業だが、ベンチャーマインドを感じさせる攻めのビジネスと、楽天ポイントを貯めている学生が、実生活で恩恵を実感していることが大きい。
「ポイントを軸にしたビジネスモデルがすごい」
「サービスの多さ、社内の公用語の統一など面白い会社」
「同社の経済圏で生活するとポイントがたまりやすく便利」
ちなみに5位の「PayPay」も、QRコード決済の還元キャンペーンの火付け役となり、彗星のごとく現れてランクインした。キャッシュレスは大学生の注目度が高まっているのだ。
以下、4位サーバーエージェント(インターネットテレビ局)、5位PayPay(電子決済)、6位ユーグレナ(ミドリムシ健康食品)、7位LINE(情報通信)、8位Amazon(情報通信)、8位ソフトバンク(情報通信)、9位いちから(スマホアプリ開発)、9位Apple(情報通信)、9位WeWork(起業家向けコワーキングスペース)だった。
なお調査は、全国の大学生・短大生・大学院生の男女計1500人を対象に自由回答でアンケートを行った。
(福田和郎)