米中通商協議が第1段階の合意に達したことで、ドル円相場はリスク選好的なドル買い・円売りが進行。ただ、合意したものの、まだ署名されていないため、警戒感がくすぶっていることも確か。予断は許さない。
一方、トランプ米大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾訴追決議案が、米国下院で可決された。目が離せない。
いよいよ、2019年も残り1週間。クリスマス休暇がはじまり、米中通商協議も弾劾訴追も「休戦」状態。海外投資の積極的な売買も期待できない。
どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 クリスマス休暇はじまる
日経平均株価予想レンジ:2万3500円~2万4000円
2019年12月20日(金)終値 2万4023円10銭
今週の東京株式市場の日経平均株価は、もみ合いながら上値の重い展開となりそうだ。
前週の日経平均株価は、米中貿易協議の第1段階の合意を受け、年初来高値を更新する局面もあったが、利益確定売りから上値を抑えられ、4週間ぶりに下落した。18日に米下院本会議で、トランプ米大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾訴追決議案が可決されたことも嫌気された。
今週の日経平均株価はもみ合いが続き、上値の重い展開となりそうだ。米中貿易協議の第1段階の合意により、協議の先行きに対する懸念は薄れ始めているが、代わってトランプ米大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾訴追が懸念材料なっている。ただ、米国議会はクリスマス休暇に入っており、年明けも与党共和党が多数をしめる上院での可決は難しいと見られている。
日経平均株価の上値の重さは、年初来高値を更新するだけの買い材料がなく、利益確定売り圧力が強いことが原因。海外投資家がクリスマス休暇に入っていることもあり、基本的にはレンジ内のもみ合いが続くだろう。
なお、30日は東京証券取引所で大納会がある。
東京外国為替市場 買い材料と売り材料が交錯
ドル・円予想レンジ:1ドル=109円50銭~110円50銭
2019年12月20日(金)終値 1ドル=109円36銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、引き続き、狭いレンジでのもみ合いとなりそうだ。
前週のドル円相場は、1ドル=109円台半ばを中心に、もみ合いとなった。米中貿易協議の進展と中国経済指標が市場予想を上回ったことがドル買い材料となった半面、米国の経済指標が市場予想を下回ったことなどがドル売り材料となり、ドルは上にも下にも動きづらい状況だった。
今週の外国為替市場でドル円相場は、もみ合い相場が続きそうだ。米中貿易協議の第1段階の合意により、ドルは底固い動きとなりそうだが、トランプ米大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾訴追が、リスク選好のドル買いの抑制要因となっている。
そのうえ、海外投資家はすでにクリスマス休暇に入っていることから、相場が大きく動くことはなさそうだ。
経済指標は、国内では23日に10月の景気動向指数、24日に日銀金融政策決定会合の議事要旨(10月開催分)、27日に11月の失業率・有効求人倍率、12月の東京都区部消費者物価指数、12月18、19日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、11月の鉱工業生産などが予定されている。
海外では、23日に米国の11月新築住宅販売件数などが予定されている。
なお、24日に日中韓首脳会談(中国・成都)、26日に黒田日銀総裁の講演(日本経済団体連合会)が予定されている。
(鷲尾香一)