ビジネスパーソンに求められるのは、まずは仕事を処理する能力です。すぐやるからこそ、量をこなせる。まずは、「すぐにやること」「動き出すこと」が大切です。
当然、いくつもの仕事が重なってきます。そのためには問題処理能力、優先順位の判断、そしてトラブルシューティングをあらかじめ準備することが必要になります。それでも、あまりにも多くの仕事を押し付けられたとき、「絶対に無理だと思ったことを可能にする仕事術」があります。
「『明日やろう』『後でやろう』がなくなる すぐやるスイッチ」尾藤克之著(総合法令出版)
会社内の理不尽にどうやって対抗する?
仕事に対する考え方や、取り組む姿勢。具体的な仕事の処理方法、トラブルシューティングの実例。どういう資質、資格などが便利なのかを紹介します。
私がとあるコンサルタント会社に勤務していたときのエピソードです。いまでも、この出来事を思い出します。筆者が中心となって進めていたプロジェクトがありました。簡単に言えば、ピアノの販路開拓プロジェクトです。
当時のピアノ市場は、ヤマハとカワイで9割のシェアを占めていました。しかし、国内には多くのピアノメーカーがあり、大手に対抗すべくピアノ組合を設立していました。とはいえ、この販路開拓はそう簡単なことではありません。
想定された販売チャネルはホームセンター、通信販売、音楽大学などでの実演販売、百貨店などの4経路です。しかし、チャネル先と交渉していくと全滅となります。価格と、ピアノの大きさがクリアできません。
数日頭を空っぽにして、なんとか別の可能性がないものか模索しました。その結果、一つの可能性が浮かび上がります。それはショールーム販売でした。
当時、大きなショールームを所有し、価格と大きさの問題をクリアできる場所は、日本に1か所しかありませんでした。数年前に経営権を巡る父娘の騒動で有名になった家具メーカーです。さっそく連絡をしてみたところ、現社長とコンタクトが取れ、幸運にもすぐに当時の社長(父親)と面会することができました。
結果的に、ショールーム販売は実現して話題になります。
しかし、最終報告会を前に筆者はプロジェクトから外れました。最終的にこのプロジェクトは頓挫します。外れたあと、ショールームに置くピアノをめぐって調整がうまくいかなかったのです。なぜか、最終的に頓挫した責任は押し付けられることになりました。1週間後、新規開拓専門部署に異動になります。その後、自分なりに検証し退職を決意したのでした。