プライベートネタのてんこ盛りだった小泉大臣のスピーチ
おやおや? 小泉大臣の評価とはずいぶんとトーンが異なります。「プレゼンスが高まった」と胸を張った日本への国際的な評価は、「部外者」「異常値」とまで言われているではありませんか!!
さらに、国内で話題になった温暖化対策に後ろ向きな国に贈られる「化石賞」を日本が受賞したことでさえ、海外メディアはあまり大きく報じていないように感じました。むしろ、同じ「受賞国」のブラジルやオーストラリアのほうに注目が集まっていたようです。
残念なことに海外メディアの報道を見る限り、COP25での日本のプレゼンス(存在感)は「高まった」どころか「たいして話題になっていない」というのが現実ではないでしょうか?長年、海外ニュースをウオッチしてきた感覚からは、ほぼほぼ「スルーされた」といった印象です。良くも悪くも「存在感なし」でしょう。
それにしてもなぜ、小泉大臣は「日本のプレゼンスが高まった」とポジティブに受け止めているのでしょうか?
国内では小泉大臣のCOP25でのスピーチが話題になりましたが、「日本の大臣としては久しぶりだった」と、スピーチや会見をしたこと自体を評しているメディアはありました。日本の環境政策が批判にさらされているなかで、逃げずにスピーチと会見をした小泉大臣の姿勢は「日本の政治家としてはめずらしい」ことかもしれません。
ただ、その内容については、「as a millennial and father to-be he shared worldwide fears over climate change」(ミレニアル世代で近々父親になる立場として、気候変動に関する世界的な危機感を共有していると語った:ロイター通信)と、スピーチの一部を引用するだけで、残念ながら「良い」とも「悪い」とも評価していないのです。
小泉大臣が「残念」なのは、「日本の政治家の常識」から抜け出していないことです。
今回のスピーチでも「自分は若い」「来年父親になる」といったプライベートネタを盛り込み、脱石炭に向けて「政権内で孤軍奮闘している」とアピールしたようですが、海外の方々にとってはピンとこないでしょう。