きょうの京都、あしたは全国の街に
オーバーツーリズムは近年、イタリアのベネチア、アムステルダム、スペインのバルセロナや、モアイ像で知られるチリ領のイースター島、ネパールの世界最高峰、エベレスト山などでも問題になっており、とくに都市では、地元住民たちの怒りが爆発している。
反観光運動の激しい事例には共通点があり、それは歴史ある街並みや市場など、いまもなお人々の生活の場であるところが名所として観光の対象になっていることだ。京都の問題もそれに連なるものだろう。
京都が直面している問題は、今後インバウンド誘致がさらに進めば、オリンピックが開かれる東京をはじめ、全国の街を見舞う可能性がある。
著者は、
「そのような意味では、我が国におけるオーバーツーリズム最前線である京都の『戦況』は全国が注視すべきものといえる」
と述べている。
「パンクする京都 オーバーツーリズムと戦う観光都市」
中井治郎著
星海社
税別900円