ボーナス資金の一部で株式投資 7万円から買える「東レ」に注目(石井治彦)

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   2019年も残すところ半月を切った。サラリーマンにとって楽しみの、ボーナスシーズンの到来だ。大切なお金だから、とにかく貯めるという人もいるだろう。ただ、銀行に預けても金利は限りなくゼロに近く、殖えない。元本割れのリスクはあっても、株式投資という手段は考えてもいいと思う。

   ボーナスをもらって、欲しいモノを買って、残りを貯金に回す。そのほんの少しの資金で買える銘柄がないかと探したら、「東レ」があった。

  • ボーナス資金、どう使おうか!?
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他社がマネできない技術を持つ

   株式投資をするにあたって、自分なりのポイントを決めている。

(1) 基本的に、手持ちの資金が許す限り、業界のトップ企業を狙う。
(2) チャート(長期)を利用して、株価の置かれている位置をみて、安価で購入するようにする。
(3) 高値づかみを防ぐため、手持ち資金を一度にすべて使って購入せず、数回に分けて購入する。
(4) 保有銘柄は、一業種に絞らず分散する。
(5)できれば1銘柄300株~400株保有し、状況をみて売買をすることで、売り買いのタイミングを逃さないで済むようにする。

   もちろん、手持ちの資金の範囲で取引することが前提だ。

   そんなことで、7万円前後で購入できる「東レ」を検討してみてはどうか――。手ごろな価格で、初心者向けの銘柄だと思う。

   2019年6月9日付の日本経済新聞を見ていて、「血液一滴でガン検査 東レ、年内申請」の見出しが目に止まった。このときから、東レ株を取得するための検討を始めた。

   調べてみると、東レの事業構成(2019年3月期)は、主力の繊維が41%、機能化成品が36%、炭素繊維9%と、主要3分野で86%を占め、その他にも有望分野の環境エンジニアリング(11%)やライフサイエンス(2%)が控えている。

   いわゆる化学繊維のほか、「炭素繊維」や「リチウムイオン電池用セパレータ」、「全個体電池」に加えて、新聞記事にあった「血液一滴から、さまざまなガンを発見する検査キットの製造販売」などの技術を保有している。航空機の胴体や主翼に使用される炭素繊維のように、世界首位の技術を持ち、価格競争力のある商品を、数多く持っているわけだ。

   株式取得に当たっては、(1)の「業界トップ」であることを念頭に銘柄を選定したうえで、(2)~(5)のステップを踏む。

今年の安値、680円~720円あたりが買いか?

   東レの株価を10年の長期チャートでみると、高値は2017年11月の1208円、安値は2010年7月の420円。2019年をみると、10月16日に848円50銭の年初来高値をつけた後、下落に転じ、11月29日には、終値724円まで下落。以後、再度上昇に転じ、770円で頭打ちの状態に見える。

   こうしたことから、長期的には、買い値としては2019年の年初来安値の1株当たり680円~720円あたりを考えている。しかし、短期的に見ると730円~740円での「買い」からのスタートでもいいのかもしれないと考えている。

   というのも、最近の東レ株の状況を見ていると、他社株が一斉に下げても、上昇していることが多くみられ、なかなか下げない状況が続いているからだ。

   不透明感の漂うなか、世界的に価格競争力を有する商品を数多く抱える東レは、購入を検討する価値アリと考えている。(石井治彦)

2019年12月18日現在 保有株なし
年初来高値 2019/10/16 848円50銭
年初来安値 2019/ 8/ 6 680円80銭
直近 終値 2019/12/18 755円30銭

石井治彦(いしい・はるひこ)
   1970(昭和45)年に大学卒業後、自動車大手に勤務。リース販売を手がける。投資歴は実質25年。入社後にユーザーと接するなかで得た情報と自分の知識で、最初のボーナスをもとに株式運用を開始。しかし、78~98年の20年間は投資する余裕がなく、休止に。それが幸いしてバブル崩壊の痛手は軽傷だった。ただ、いつでも動けるよう、日本経済新聞をはじめ経済誌などには目を通していた。
   「現物株式取引」と「長期投資」が基本姿勢。2011年の退職後は少しの小遣い稼ぎと、興味をもって経済誌を読むために株式を保有している。現在、14の銘柄で、1万3800株を運用。東京都出身、69歳。
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