クリーンな次世代エネルギー「水素」の利用に弾み 世界初の海上大型運搬船がお目見え

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

2020年はますます注目

官民をあげて「水素」の利活用が進められている(右が、NEDO次世代電池・水素部の横本克巳主任研究員)
官民をあげて「水素」の利活用が進められている(右が、NEDO次世代電池・水素部の横本克巳主任研究員)

   「すいそ ふろんてぃあ」を使う液化水素輸送の一方で、NEDOはトルエンに水素を反応させて転換したメチルシクロヘキサン(MCH)の状態で水素を輸送する事業も進めている。

   11月には、この方式で水素を運搬する船が日本に向けてブルネイを出航した。液化水素とMCH。この二つの方式のメリット、デメリットをNEDOは今後調べていくという。

   燃やしても温室効果ガスが出ない水素エネルギーを利活用する動きは、最近各国でも急速に進み、欧州では水素燃料の燃料電池電車が製造され、中国でも燃料電池自動車の普及が図られる。

   もっとも水素活用の研究開発を、NEDOは1980年代から始めていたという。家庭向け燃料電池や燃料電池自動車(FCV)などのベースとなる技術もこれまで蓄えてきた。

   温暖化対策が世界的に迫られるなか、日本政府は、日本が排出する温暖化ガスを21世紀後半の早い時期までに実質ゼロにし、そのための重要なエネルギーとして水素を位置づける戦略をまとめた。2030年の水素社会実現に向けて具体的な目標を定めた「水素・燃料電池戦略ロードマップ」も策定済み。将来の市場規模拡大も期待しながら、官民あげる形で水素を利活用する動きが進み始めている。

   2020年3月には、やはりNEDOが助成する、水素を再生可能エネルギーから作り、利用する世界最大級の研究施設「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」で、実証運用も始まる予定。「すいそ ふろんてぃあ」の実証試験と併せて、来年は水素がますます注目される年になるかもしれない。

姉妹サイト