「コンプライアンス=法令遵守」は誤った日本語訳 モラルがなければ道を踏み外す(大関暁夫)

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「道義上」対応の必要性があるかもしれない

   問い合わせ窓口の担当-役職者レベルでは、「残念ながらできません」一辺倒だったカード会社も、本社管理者レベルでは私の申し出を前向きに受け止めて、社内で検証・対応の検討をするという約束をしてくれました。

   結果はまだわかりません。時間はかかるでしょう。しかし企業として、業務マニュアル上はできないとの判断に至るものであっても、道義上からは対応の必要があるかも知れないと考えることは非常に重要な姿勢です。

   コンプライアンスという言葉は、ややもすると「法令遵守」という誤った日本語訳に引っ張られて、「法令違反さえなければ問題なし」としがちな傾向があります。しかし、真のコンプライアンスはむしろ法令違反の有無にのみ縛られることなく、モラルの観点から経営判断を見誤らないことがポイントであり、その重要性はもっと組織内外で言及されるべきではないかと、今回の件で改めて強く感じさせられた次第です。

   最後に、今後米国に旅行される方、ESTA申請では米国政府ページを模した詐欺まがいのページに騙されることのないよう、十分な注意を払われることを申し添えておきます。

   なお、私の手数料は、並行しておこなった当該ページ業者への強硬なクレームにより、無事返還されることになりました。(大関暁夫)

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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