労組の言い分は「スマホ禁止は福利厚生に違反する」
こんな有様では、生産ラインでの事故や、欠陥自動車が生産される心配があると危機感を抱いた会社側は12月2日、「安全上の問題」を理由に作業時間内のWi-Fi遮断を通告、9日から実施した。
すると労働組合が猛反発、記者団を集めて会社側を非難する声明を発表、「明日土曜日の特別勤務を拒否して週明けから闘争計画を立てる」と、事実上のストライキを宣言したのだった。
労働組合の言い分は、
「労使合意によってWi-Fiは24時間使用できることになっている。一方的な遮断は福利厚生に違反する弾圧的な措置だ」
というものだった。
現代自動車労組は、過去にも会社の売り上げが半減しているのに、「7%の賃上げを要求、純利益の30%をその原資に充てろ」と訴えて、長期ストライキを敢行してメディアの批判を浴びたこともあった。今年11月、中道派傾向の新委員長を選出し、生まれ変わると期待されていたのだった。
朝鮮日報(12月12日付)は、そのイ・サンス委員長のこんなコメントで結んでいる。
「必要ならば労使が合意すればよいのに、会社がWi-Fi遮断を一方的に通告したことで全国的なニュースになり、お恥ずかしい。製品の品質は現代自動車を愛する人間の感情から生まれるものであって、Wi-Fiの接続を遮断したからといって、費用削減や品質向上にはつながらない」
(福田和郎)