「ブラックを通り越してダークネス!」セブン‐イレブン残業代未払い事件にネットに怒りの声殺到

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「セブン‐イレブンとは11時間働いても7時間しか払わんということか」
「ブラックというのは生ぬるい。ダークネス(暗黒、邪悪)企業と呼びたい」
「いや、ディザスター(災害、惨事)企業でしょ」......。

   セブン‐イレブンが2019年12月10日、残業代の未払いを40年以上にわたって放置してきたと発表したことに、ネット上では怒りの声が氾濫している。加盟店の現役店長、従業員、元アルバイトらの告発が広がっている。そうした声から今回の問題点を探ると――。

  • セブン‐イレブン本社直営店舗(東京・麹町)
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「米国なら数百億円の集団訴訟を社長の減給10%とは」

   セブン‐イレブンでは最近、不祥事が相次いでいる。恵方巻やクリスマスケーキ販売などでの従業員の厳しいノルマ、過酷な労働に耐えかねた加盟店主側とのトラブル、セブンペイの不正アクセス問題、本部社員が店主に無断でおでんを発注した事件などだ。

   今回も2001年に労基署から残業手当の一部が支給されていないと指摘を受けていたのに公表しなかった。その後も残業代計算式の間違いを続け、わかっているだけで約3万人に未払いがあり、不足額は1人あたり最高で約280万円に達するという。具体的には、手当や残業時間に1.25をかけて加算するのに0.25をかけたという信じられないミスだ。

   ネット上で多くの人がまず怒りの矛先を向けたのは、永松文彦社長が報酬の10%を3か月分だけ自主返納するという責任の取り方だった。

「これ、アメリカだったら何百億円という集団訴訟を起こされているよ。それが、社長1人の給料3か月減らしてごめんなさいで済んじゃう日本がゆるすぎる」
「未払い分ってさ、少しでも子どもがお腹いっぱいになれるようにと、低賃金でも一生懸命働いているお母さんたちのお金なんだよ。なのに、莫大な月収の人がたった10%って...そんな程度の気持ちなんだね」

   また、元従業員や元アルバイトとみられる人たちからの投稿も相次いでいる。

   その声の中には、加盟店を名乗る人が「こんな仕事始めて休めるわけがない」と担当本部社員に言われたとか、バイトをしていた時に25分単位で残業代が加算されるため、定時よりギリギリ25分程度遅くまでいつも残業させられた、などと多数の声があがっている。

ブラックな構図を指摘する分析も

   そもそも今回の残業代未支払い騒動の背景には、コンビニの持つブラックな面が表れたと分析的な意見もある。論点は2つ。1つはコンビニオーナーの段階で従業員の残業代を減らすべく、不正が行われているのではないかという点だ。もう1つはセブン本部の中でそうした不正を隠し続けてきたのではないかという点だ。

   まず、コンビニオーナーの不正操作という意見から――。

「従業員の給料は、店のオーナーが報告してきた従業員の勤務時間にもとづいて本部が計算する。勤務時間は、従業員のネームプレートに記載されたバーコードをスキャンすることで出勤と退勤を記録する。しかし、オーナーにはこの勤務時間を操作・修正できる権限があり、これが一番の問題」

   オーナー自身、劣悪な労働環境に置かれている。「本部から搾取されるオーナーが、立場の弱い店員をさらに搾取する」というコンビニが本質的に持つ構図が表れている可能性があるという分析だ。

   もう一つ、本部の不正の可能性を指摘するのはこんな意見だ。

「残業代の計算式の誤りは、短期間なら考えられるが、10数年も気づかないのはあり得ない。絶対に誰か検算してみた人はいるし、気づいてアピールした社員もいたはずだ。顧問税理士は何をしていたのか。それに、残業代が支払われていないと会社に問い合わせてきた人も絶対にいたはずだ。それを会社として握りつぶして封印してきた、と捉えるべき事件ですよ」

(福田和郎)

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