「認定こども園」で幼稚園児は大幅減少
「認定こども園」とは、教育・保育を一体的に行う施設で、いわば幼稚園と保育所の両方の良さを併せ持っている施設で、幼稚園型、保育所型、幼保連携型、地方裁量型がある。
「幼稚園型」は認可幼稚園が、「保育所型」は認可保育所が「地方裁量型」は幼稚園・保育所いずれの認可もない地域の教育・保育施設が、認定こども園としての機能を果たすもので、「幼保連携型」は幼稚園的機能と保育所的機能の両方の機能をあわせ持つ、単一の施設だ。
2019年4月1日現在で認定こども園は7208園で、その内訳は幼保連携型が5137園、幼稚園型が1104園、保育所型が897園、地方裁量型70園となっている。わずか1年間で幼保連携型が728園、幼稚園型が138園、保育園型が177園、地方裁量型が5園の総計で1048園も増加しており、認定こども園は急速に普及している。
このため、幼稚園は直近のピークである1978年の249万8000人から51.6%も園児が減少しているが、保育園は同じく直近のピークだった1980年の199万6000人から8.3%増加している。
幼児のいる家庭にとって、一番の大きな問題は教育費だ。2015年の国立社会保障・人口問題研究所「第15回出生動向基本調査(夫婦調査)」 では、「理想の子供数を持たない理由」として、「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」との回答が、30歳未満では76.5%、30~34歳は81.1%、35~39歳は64.9%、40~49歳は47.7%もある。
また、内閣府の2014年度「結婚・家族形成に関する意識調査」では、「どのようなことがあれば、あなたは(もっと)子供が欲しいと思いますか」との質問に対して、「将来の教育費に対する補助」が68.6%、「幼稚園・保育所などの費用の補助」 が59.4%と1、2番に多い回答だ。