写真は「奇跡の一枚」を用意
アナ活のESでもう一つ、重要な要素は写真だ。単なる本人証明ではないことを承知しておかなければならない。写真を添付するESの種類は大きく分けて4つ。写真1枚の場合、2枚の場合、4枚の場合、写真自由の場合。放送局によっては7枚ほど提出を求められる場合もあるという。
アナウンサーの採用の最初の選考では、詳しいプロフィールはほとんど見られず、まずは写真が大事になる。「スーツ、メイク、髪型、ポーズなど熟考を重ねた『勝負写真』ができるまでは時間がかかるので、しっかり準備しましょう」と著者。表情、背景、演出、小道具などにこだわり「奇跡の一枚」を撮影する努力をすべきという。そのためには1000枚ほどの用意が必要だ。
最近のアナウンサー採用選考のESでは、カメラテストを兼ねて動画提出を求められることもある。本書では、ある放送局の採用担当者の話として、部活でバスケットボールをやっている学生が、ユニフォーム姿でシュートするシーンで自己PRする作品の評価が高かったことを紹介。30秒の長さのうち20秒で自己PRを述べ、残りの時間でシュートを決めるという構成だった。
アナウンサーの採用試験の内容は、放送局ができて以来、約60年間、ほとんど変わっていないというが、デジタル時代、IT時代となって少しずつ変化している。個人だけの力で採用を勝ち取るケースも、稀ではなくなる可能性もありそうだ。本書はその扉を開く一冊。
「アナウンサー就活本」
金谷有希子著
カナリアコミュニケーションズ
税別1400円