「成長はここまで」景気後退のシグナル点滅! 下振れ材料多く、アベノミクス「最後の一手」?

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ポイント還元制度の終了後がカギ

   また、帝国データバンクは「消費増税の駆け込み需要と反動減に関する企業の意識調査」(期間は10月17日~31日、対象は全国2万3731社で回答率42.6%)を11月26日に発表。それによると、「駆け込み需要があった」とする企業は26.5%で、駆け込み需要が生じた時期は「2019年9月頃から」が12.3%で最多。「駆け込み需要はなかった」と答えた企業は66.7%だった。

   「駆け込み需要があった」企業をみると、「家具類小売」や「家電・情報機器小売」などの「小売」が58.7%で最多。消費増税1か月前からの駆け込み需要が顕著だった。次いで、「卸売」(34.9%)、「運輸・倉庫」(27.8%)、「建設」(27.1%)が続いた。

   需要の反動減について、「ある」と回答した企業が19.4%だった一方で、「ない」とする企業は55.3%。反動減が「ある」とする企業をみると、「小売」が53.9%で突出して高かった。また、「駆け込み需要があった」企業では、需要の反動減が「ある」とした企業が49.4%と半数近くにのぼった。

   数字上では、軽減税率の導入やキャッシュレスによるポイント還元などの、政府が投入した駆け込み需要の反動抑制策が効いているようだ。

   とはいえ、今後の国内景気は、消費税率の引き上げなどを受けて低迷している消費の行方に左右される。現時点では景気悪化への影響が抑えられているといえなくもないが、「マイナスの影響は、ポイント還元制度の終了後から顕著になると考えられる」(旅行業、東京都)との見方もある。

   さらには、米中貿易摩擦の激化などを背景に世界経済が減速するなか、輸出の低迷に加え、先行き不透明感から設備投資意欲は減退すると予想される。人手不足や原材料高などが招くコスト負担も引き続き悪材料となる。

   その一方で、公的支出が景気を下支えするほか、プラス要因が東京五輪・パラリンピックに向けた消費マインドの高まりとなると、心もとない。12月5日、政府は3年ぶりとなる26兆円もの大規模な経済対策を決めたが、この「大型支出」がアベノミクスの「最後の一手」なのかもしれない。

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