「成長はここまで」景気後退のシグナル点滅! 下振れ材料多く、アベノミクス「最後の一手」?

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   とうとうアベノミクスの「神通力」がしぼみ、景気後退の足音が大きくなってきたようだ。

   内閣府が2019年12月9日に発表した7~9月期の国内総生産(GDP)の2次速報は、物価の影響を除いた実質ベースで前期(4~6月期)比0.4%増、年率換算で1.8%増だった。1次速報の年率0.2%増から、大きく上方修正した。

   プラス成長は4四半期連続だが、消費税率が引き上げられた10月1日以降の10~12月期のGDPは大幅な反動減が懸念されている。個人消費などが振るわず、「成長はここまで」との見方が支配的。今後は東京五輪・パラリンピックの開催に伴う需要増を期待する向きがないわけではないが、個人消費の動向や世界経済の減速などの懸念材料も多く、不透明感はますます強まりそうだ。

  • 3年ぶり、26兆円もの経済対策はアベノミクスの「最後の一手」なのか!?(写真は、安倍晋三首相)
    3年ぶり、26兆円もの経済対策はアベノミクスの「最後の一手」なのか!?(写真は、安倍晋三首相)
  • 3年ぶり、26兆円もの経済対策はアベノミクスの「最後の一手」なのか!?(写真は、安倍晋三首相)

景況感悪化データが次々と

   2019年7~9月のGDPの伸びは、企業の設備投資が大きく上方修正(1次速報、11月14日公表0.9%増→1.8%増)されたのが原因。住宅投資は1.4%増→1.6%増、個人消費は0.4%増→0.5%増、公共投資は0.8%増→0.9%増だった。設備投資を除けば、国内需要の修正は小幅な上昇だった。一方、海外需要では輸出がマイナス0.7%→マイナス0.6%とさえない。米中貿易摩擦の影響が色濃い。

   懸念されるのは、消費増税の反動だ。増税前の駆け込み需要では、企業向けは軽減税率やキャッシュレスに対応したレジの導入などにとどまり、個人消費も限定的だった。

   とはいえ、足もとの景況感は悪化している。企業信用調査の帝国データバンクが12月4日に発表した2019年11月の景気指数(D.I.)は、前月比0.3ポイント減の43.6となり、2か月連続で悪化した。内外で需要が低迷するなか、自動車の販売量や産業機械の出荷量が減少したことを背景に、製造業で景況感の悪化が続き、関連する業種にもマイナスの影響を及ぼした。

   加えて、消費増税にともなう反動減が続き、耐久財を中心に小売業などの景況感の悪化につながった。人件費や輸送費が高値で推移していることもある。「国内景気は後退局面入りした可能性がある」と、指摘している。

   製造業では自動車関連や機械関連など12業種中8業種が悪化。景気D.I.が39.6となり、じつに6年7か月ぶりに「40」を下回った。「小売」の景気D.I.は36.1。消費増税の影響で、2か月連続で悪化した。

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