「顔しか取り柄がない私。仕事でほめられたい」 美人過ぎる新入社員の投稿が大炎上 専門家に聞いた

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かつては「職場の華」「寿退社」の言葉が女性を追い込んだ

   J-CASTニュース会社ウォッチ編集部では、女性の働き方に詳しい、主婦に特化した就労支援サービスを展開するビースタイルの調査機関「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長に、この「顔だけが取り柄の私、仕事で認められるにはどうしたらいい?」論争の意見を求めた。

――今回の投稿と回答者たちのさまざまな意見を読んで、率直にどんな感想を持ちましたか。

川上敬太郎さん「ご自身が美人であることに悩むという、受け取り方によっては嫌味に映る可能性のある内容であるにもかかわらず、その悩みを肯定的に受け止めてアドバイスを送る方がたくさんいるというのは凄いことではないかと感じました。読み手に嫌な印象を与えずに、文章を通して悩みを伝えられるというのは、それ自体が特筆すべき能力だと思います。
一方で、投稿者さんは容姿端麗であることに悩みながら、仕事の頑張り方のアドバイスを求めています。容姿の話と仕事の頑張り方の話は、本来は無関係であるはずです。そこを結び付けてしまっていることで、返って問題がわかりづらくなっているように思いました」

――なるほど。投稿者に対するイヤミの回答が非常に少ないことが不思議でしたが、投稿者自身の素直な人柄を伝える「能力」が影響していたわけですね。そして、本来の問題点は、どうしたら仕事ができるようになるかだったのに、容姿の問題にすり替わってしまったというわけですね。
しかし、女性が仕事をするうえで男性と違う点には、容姿の問題が多少影響を与えることがあるのではないでしょうか。私が最近書いた記事では、男性はOKなのに、女性にメガネの着用を禁じる職場が非常に多いことも問題になっています。こうした働く女性と容姿の問題については、どのように考えますか?
※参考リンク:「マジかぁ~、女性のメガネ禁止の職場がこんなに多いなんて!『見栄えが悪い』『お客に失礼』って......」(J-CAST会社ウォッチ 2019年11月10日付)

川上さん「男性においてもイケメンという言葉がありますし、芸能人やホストのように、容姿のよさが直接的にプラスに働くと思われる職業があります。ただ、女性の場合は、職務上必ずしも必要でないと考えられる場面でも美しさを求められるケースがあるように感じることも事実です。よく女性に対し、『職場の華』のような表現をほめ言葉として使うことがありますが、それが返って女性を追い込んだり、レッテル貼りのようになったりするケースがあります。
また、ひと昔前までは『寿退社』という言葉があったように、女性に対して仕事能力ではなく、男性社員の結婚相手としての可愛らしさや美しさを求めるような風潮があったことも少なからず尾を引いているように感じます。
容姿と直接関係はありませんが、働く女性に『仕事がきっかけでダイエットに取り組んだことはありますか』と聞いて調査したことがあります。すると、『ある』と回答した人は20%いました。『接客業で周りのみんなが美しかったため、ダイエットしようと思った』と答えた人もいました。仕事シーンにおいて見た目を気にする人もいるとは思いますが、必ずしも見た目を絶対視している人が多数派というわけではないと感じます」

――回答者の中には、「自分も美人で目立った」という人がけっこう多く、「美貌を武器に使って仕事をしなさい」というアドバイスがあります。こうした意見については、どう思いますか。

川上さん「美貌に悩むのではなく、むしろ強みとして活かす道を考えてはどうかという意見だと思います。美貌をどう武器に使うかによっても変わってきますし、あくまで社会通念から逸脱しない範囲という話ですが、投稿者さん自身がそうしたい、と思うのであればそれも一つの考え方なのだと思います。ただ、投稿者さんは容姿しかほめられないことを悩んでいるので、美貌を武器にして何らかの成功を得たとしても、その悩みは解消されないでしょう」
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