AIに仕事を奪われないための切り札は「読解力」! OECD調査で世界15位に下落、それを止める策は?

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AIと同じキーワード読み

   AIがこの先、読解力を向上させても人間並みに達するのは容易ではなさそう。だが、計算や記憶を要する処理や作業では人間が対抗することはできない。新井さんは、「東ロボ」のプロジェクトの経験から、AIをめぐる人間にとっての課題は、AIの進化を目指すこともその一つに違いないが、いまはそれよりもまず、人間、とくに子どもたちの読解力向上を図ることが重要と考え、東ロボプロジェクトの凍結と前後して、2016年から、「教育のための科学研究所」代表理事・所長として、RSTの研究開発を主導している。

   本書は、そのRSTの最新の研究成果を報告し、テストを使った読解力向上を手ほどきした。企業の中間管理職に就く人たちからは、若い従業員によるメールや仕様書の誤読によるトラブルが続発しているという声が寄せられており、その内容は子どもにだけ向けたものではなく、ビジネスパーソンにとっても自らの読解力を知り、鍛えることができる。企業のなかには、RSTを入社試験に導入しているケースもあるそうだ。

   RSTは、前述の「例題」のように、答えが書かれていることを読めるかを診断するテスト。これまでの3年ほどの間に、小学生から会社員まで約7万5000人を対象に調べたところ、AIと同じくキーワードを頼りに文章を読む人が非常に多いことがわかったという。そういう人は意味を理解しないで機械的に、コピペ型の処理しかできず将来、AIに代替されやすい。

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