【日韓経済戦争】「あのフジサンケイと名古屋がひれ伏した!」Kポップの日本席巻に留飲を下げる韓国メディア

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   2019年12月4~5日、多くの韓国人ミュージシャンが来日、日本のファンと交流を深めるイベントが行われた。特に、Kポップは日韓関係悪化にもかわわらず日本での人気は高いのだ。

   そんななか、韓国では嫌韓メディアと一部で見られているフジテレビ・産経新聞と、「表現の不自由展」で慰安婦の少女像の展示を中止した名古屋に、「鉄槌を下した」と韓国メディアが留飲を下げる事態が起こっている。

   いったい、どういうことか。韓国紙を読み解くと――。

  • かつての「宿敵」フジテレビに出演したBTS(東亜日報12月5日付)
    かつての「宿敵」フジテレビに出演したBTS(東亜日報12月5日付)
  • かつての「宿敵」フジテレビに出演したBTS(東亜日報12月5日付)

昨年は批判の嵐の「防弾少年団」を称賛する産経&フジ

   韓国の人気男性ヒップホップグループ「防弾少年団」(BTS)の日本での活躍再開を誇らしげに伝えるのは、東亜日報(2019年12月5日付)「BTS、1年ぶりに日本のテレビ番組に出演」だ。

「BTSが1年ぶりに日本の放送に出演して、活動を再開した。フジテレビの年末歌謡祭『FNS歌謡祭』に12月4日出演した。フジテレビは予告放送で『世界を魅了するスーパーグループBTSが、FNS歌謡祭に初出演!』と発表した。BTSは昨年のヒット曲『フェイク・ラブ』など2曲を歌った」

   BTSは世界的人気を誇るグループだ。この11月、ヨーロッパ最大の音楽授賞式「MTVヨーロッパ・ミュージック・アワード」で2年連続受賞し、アメリカの権威ある大衆音楽授賞式「アメリカン・ミュージック・アワード」(AMAs)でも3冠を獲得したばかりだった。

   ところが昨年(2018年)11月、メンバーがかつて着ていた光復節(日本植民地からの独立記念日)のTシャツに、原爆のキノコ雲の写真があったことから日本のメディアが問題視。NHK紅白歌合戦の出演も中止に追い込まれた。その批判キャンペーンの中心になったのがフジテレビと系列関係にある産経新聞だった。

   当時の産経新聞(オンライン版)の見出しを追うと――。

「ナチス帽着用でBTS非難 米ユダヤ系団体」(2018年11月12日付)
「BTSがMステ出演見送り『原爆Tシャツ』着用で」(11月13日付)
「BTS事務所が謝罪表明 原爆Tシャツとナチス記章で」(11月13日付)
「紅白歌合戦にBTS選ばれず『原爆Tシャツ』影響か」(11月14日付)
「BTS原爆Tシャツ事件の真相」(11月19日付)

などと連日のように追及、攻撃の矛先を朝日新聞にまで向けた。

「朝日新聞、紙面で『原爆Tシャツ』BTS擁護か 『反核報道路線』は本物なのか?」(12月4日付)

といった按配だった。

   ところが今回、その産経新聞がBTSを手放しで称賛して紹介したのだった。産経新聞(2019年12月4日付オンライン版)「BTS『FNS歌謡祭』初出演 第1夜で2曲パフォーマンス」がこう伝える。

「BTSが世界的な人気楽曲2曲を披露する。アジア圏において史上初めて『Billboard200』で1位を記録する快挙を成し遂げたアルバムからのヒット曲「FAKE LOVE」をJapanese Ver.でテレビ初披露。さらに、今年4月にミュージックビデオがYouTubeで公開され、リアルタイム再生回数1億回超となり、突破時間としては世界最速記録を樹立した『Boy With Luv』も日本語Ver.でパフォーマンスする」

   これには東亜日報(12月5日付)も皮肉たっぷりにこう伝えている。

「昨年11月、日本の極右勢力がBTSのメンバーがかつて着ていたTシャツを問題視して非難し、日本音楽番組への出演が次々とできなくなった。日本の右翼は頻繁に『BTS退出』のスローガンを叫んだ。特にフジテレビは極右性向の産経新聞系列の民放で、昨年BTS攻撃の最前線に立った放送局だが、今回BTSを招待したのだ」

慰安婦バッジをつけて名古屋入りした韓流人気俳優

慰安婦バッジをつけて名古屋入りパク・ボゴム(中央日報12月4日付)
慰安婦バッジをつけて名古屋入りパク・ボゴム(中央日報12月4日付)

   さて、東亜日報がKポップグループの日本席巻でもう一つ誇ったのが、同じ時期に名古屋ドームで開かれた国際音楽表彰式「Mnet Asian Music Awards」(MAMA)だ。MAMA は10年前に韓国の音楽会社がつくったアジア地域最高とされる音楽祭だ。これまでもシンガポール、香港、日本、ベトナムなどアジア各地で開いてきたが、ドームでの開催は今回初めて。

   東亜日報(12月5日付)がうれしそうにこう伝える。

「12月4日、日本東京ドーム(5万席)では、韓国ガールズグループ『ブラック・ピンク』がコンサートを開き、名古屋ドーム(4万席)では、音楽授賞式MAMAが行われた。日本の5大ドーム(札幌・東京・名古屋・大阪・福岡)の2つでKポップ公演が繰り広げられたのだ。9万席全体が完売された」
「ファン・ソンウン駐日韓国文化院長は『韓日関係は政治的に悪化したが、日本の若年層の間で、Kポップへの熱気は依然熱い。文化交流が韓日関係悪化からの最後の支えとなっている』と語った」

   名古屋ドームのMAMAでは、BTCら多くの韓国人グループが熱唱し、会場を満員にしたのだ。

   さて、名古屋ドームで行われたMAMAの表彰式で総合司会(ホスト役)を務めたのが、甘いマスクで日本でも人気のある韓流俳優パク・ボゴム(26)だった。そのパク・ボゴムが韓国を旅立つとき、「名古屋では慰安婦バッジをつける」と宣言したからたまらない。韓国の反日世論を一気に焚きつけた。

   その模様を、中央日報(12月4日付)「慰安婦バッジをつけて出国した俳優パク・ボゴム...名古屋観光を呼びかけたMAMA」がこう伝える。

「『2019 MAMA』のホストを引き受けた俳優パク・ボゴムが慰安婦バッジをつけて日本に出国した。一方、『2019 MAMA』の主催側はSNSに名古屋現地観光を呼びかける文章を掲載して袋叩きにされた」

   12月3日、パク・ボゴムは「2019 MAMA」に参加するために仁川(インチョン)国際空港に姿を表わした。報道陣の目を引いたのはパク・ボゴムがコートにつけた慰安婦バッジだった。実は、パク・ボゴムは過去に何度も慰安婦を支援する企業・グループが作ったTシャツやアームバンドなどをつけて芸能番組に出演、慰安婦に共感を示してきた人物なのだ。特に毎年8月14日の世界慰安婦被害者記念日には、よく着用してテレビに出演する。

名古屋観光を呼び掛けた音楽祭主催者は袋叩き

   そんな人気俳優が、今夏、「あいちトリエンナーレ2019 表現の不自由展」で、従軍慰安婦の「少女像」の展示を中止する騒ぎがあった、いわくつきの名古屋に慰安婦バッジをつけて乗り込むのだ。韓国のネットユーザーは、名古屋のMAMAでどんな騒ぎが起こるか、固唾を飲んで見守ったのだった。

   中央日報(12月4日付)がこう続ける。

「パク・ボゴムは、3年連続でMAMA授賞式のホストのために出国しながら慰安婦被害者を後援するバッジをつけてネットユーザーから支持を得た。どのような気持ちで日本に出国するのか十分に伝えられたのだ。だが、ホストとは異なり、(韓国企業の)主催側は相反した行動を見せた。MAMAは12月2日、公式ツイッターアカウントに、『名古屋ではおいしい食べ物、美しい場所、その他多くのことが皆さんを待っている。このすべてを楽しんでください。中部国際空港からのアクセスもいいです』と、名古屋観光を呼びかける文章を載せた」

   そもそも、授賞式を「少女像」の展示を中止した名古屋で開催すると決めた時点で、MAMAの主催者には人々の怒りが殺到していた。だからこそ、パク・ボゴムもあえて空港出立時に慰安婦バッジを報道陣に見せて、名古屋入りする際の自分の気持ちを表したのだった。

   中央日報は、こう結んでいる。

「名古屋観光を呼びかける文章は大衆の怒りを買った。不買運動で日本旅行を控える雰囲を考えると、あえてこのような文章を載せるべきだったのか。MAMAは論議が高まるとすぐに文章を削除した」

   何はともあれ、韓国人ミュージシャンたちのパワーで名古屋ドームを満員にしたということで、韓国のネットユーザーの留飲は下がったようだった。

(福田和郎)

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