「公務員を捨てて民間会社に行きたい」2つの内定をもらった女子学生の投稿が話題に 専門家に聞いた

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ユニクロだって斜陽産業といわれるアパレルを変えた

――今回の投稿に対する反応を読み、率直にどんな感想を持ちましたか?

川上敬太郎さん「まだ社会に出て働いたことがない段階で、どう選択すればよいのか悩むのは当然のことだろうと思いました。おそらくは、どのように選択してもうまくいく可能性もあれば、いかない可能性もあるはずです。そういう意味で、あらかじめ決められた正しい選択というものはないのだと思います。投稿者さんが、今の自分の中にある判断軸を用いて選択し、決断するしかありません」

――圧倒的に多くの人が、「せっかく安定している公務員の内定をもらったのに、不安定な民間企業に行くことはないではないか」と主張しています。また、特に女子学生(女性)の場合、産休・育休制度が充実している面からも公務員のほうが有利だと訴えています。こうした意見についてはどう思いますか。

川上さん「職場がなくなる心配がない点や、福利厚生が充実しているという面では、確実に安定しているのは公務員だと思います。ただ、やりがいや将来への展望、仕事から得られる喜びなど、精神面の安定という意味では、一概にどちらのほうが安定していると決められるものではありません。何が投稿者さんにとっての安定と言えるかは、投稿者さん自身にしかわからないことです」

――「公務員に断固なるべし」という意見の中には、女子学生が進みたいと望んでいる「教育業界」が、少子化により将来的に不況産業であることをあげている人が多くいます。こうした意見についてはどう思いますか。

川上さん「確かに少子化の影響を考えると、教育関係の市場は先細りの傾向にある業界だと思います。しかし、斜陽産業といわれたアパレル業界で驚異的な進展を遂げたファーストリテイリング(ユニクロ)社のように、厳しいといわれる業界でも業績を伸ばす企業はあります。一方で、伸び盛りと言われる業界でも、時代の変化の早さに対応しきれずに苦労する企業もあります。不況産業と言われるかどうかは、就職先を選ぶ上で判断材料の一つにはなると思いますが、必ずしもそれがすべてではないと思います」

――一方、女子学生に「民間に行くべし」と勧める意見の中には「長い人生、やりがいのある道に進むべきだ」「教育産業はやりがいのある仕事だよ」という人が何人かいました。こうした意見についてはどう思いますか。

川上さん「教育産業も含め、どんな仕事であっても、取り組み方次第でやりがいは見出せるはずです。だから、民間だからやりがいがあり、公務員だからやりがいがない、という決めつけが前提になっているとしたら、それは大きな誤りだと思います。
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