安定を求めて公務員になるか、やりたいことを求めて教育関係の会社に入るか――。悩める女子学生の投稿が話題になっている。
市役所と教育関係の会社。女子学生は2か所から内定をもらった。女子学生が「民間に行きたい」というと、両親は「安定した公務員を捨てて、斜陽産業の教育会社に行くの?」と猛反対した。
インターネット上では「断固公務員になるべし」という意見が圧倒的だ。専門家に聞いた。
女性なら産休育休時短も充実している公務員がおススメ
話題になっているのは女性向けサイト「発言小町」(2019年11月15日付)に載った「公務員を辞退し民間へ、親に反対されました」というタイトルの投稿だ。
「私は現在大学4年生です。最近やっと地元の市役所の内定をもらうことができました。また、興味のある民間企業(教育関係の事務)の内定ももらっています。就活を始めた頃は事務職がやりたい程度しか考えておらず、安定しているから公務員を目指すか~という軽い気持ちで就活に励んでいましたが、就活を続けるうちに予備校や塾で働きたいと考えるようになりました」
そこで、両親に2つの内定のうち「自分のやりたい仕事ができる民間に行きたい」と言うと、猛反対されたというのだ。
「内定をもらってからよく考えたのですが、どうしても市役所で働きたいという気持ちが薄いのです。地域に貢献という気持ちもなければ、市役所は色々な方が訪れますから、対人ストレスが多いと思います。自分が働くわけだし自分が行きたいところは自分で決めたいのです。でも、民間に決めると親と会うたびに何か言われるのではないかと考えて悩んでいます」
というのだった。
この投稿に対しては、「せっかく公務員に内定したのにもったいない。安定しているから絶対に市役所に行くべきだ」という意見が大半だった。
「就活時期まで、公務員や事務員でいいやと思って、特にほかの資格や課程はとってないのですよね。だったら、突然の主旨変えに親が怒るのは当たり前です。リスクの多い民間企業より公務員のような安定した仕事の方が安全だと思うのが親心でしょう」
「あ~あ、やりがいに夢見出しちゃってますねえ。若いっていいですね。でも民間と公務員の違いは、ずばり公務員は不況に強いのです。企業だと、自社の利益が減ると、社員の首を平気で斬りますが、公務員は守られて安定した生活が送れます。景気を気にしなくていい。先日、市役所に行きましたが、市役所に勤めればよかった、としみじみ思いましたよ。私、60歳の民間パートですが」
投稿者が女子学生であることから、将来、働きながら子育てをする際も公務員は圧倒的に有利だと強調する意見も目立った。
「民間を辞めてから公務員になった者です。女性なら、公務員のほうがずっと勤めるにはオススメです。産休も育休も時短やさまざまな制度がきちんとしています。よほどよい民間じゃないと家事や育児など、なかなか両立が難しい現実がありますよ」
また、投稿者がやりがいを感じるという「教育関係」の仕事自体が、先細り産業だからオススメできないという指摘も目立った。
「教育業界は、離職率が高いのはご存じですか。それは先細り産業だからです。特に、予備校・塾が希望とのことですが、顧客の子供数は10年後に現在の4割減です。今後は経営統合の業種です。『安定』を甘く見ていませんか」
「民間の予備校で事務って楽しそう、と思っているのかもしれないけど、講師じゃなかったら大して子供との関わりもない。子供に関わる仕事が希望なら、教職免状とか取ってないと。これが『公務員で市役所』と『塾や予備校の教師』だったら、議論のしがいがあるが、『教育に携われる』という幻想をもっているのなら、市役所にいったほうがいいと思う」