「オタク市場」が好調だ。なかでも、「アニメ市場」と「アイドル市場」は今後も拡大傾向が続きそうなことが、矢野経済研究所の調べでわかった。2019年11月25日に発表した。
アニメや同人誌、プラモデル、フィギュアなどの13ジャンルがある「オタク市場」の2018年度の市場規模は、7835億円で前年度と比べて6.7%伸びた。19年度は8195億円(18年度比4.6%増)を予測している=下表参照。
アニメ人気、映像配信事業の効果大きく
好調なオタク市場を支えているのは、「アニメ」と「アイドル」だ。調査によると、「アニメ市場」の規模は、アニメーション制作事業者の売上高ベースで、2015年度が前年度比1.3%増の2300億円。その後も毎年増加して、16年度は8.7%増の2500億円、17年度は7.2%増の2680億円。18年度は、8.2%増の2900億円だった。
堅調な映像制作部門に加え、Netflix(ネットフリックス)による、オリジナルアニメ配信の本格進出や国内外における映像配信事業の拡張も、見込まれている。アニメの年間製作本数は減少しているものの、引き続き国内外における映像配信事業は拡がる傾向にあると考えられるため、19年度は前年度と比べて6.9%増の3100億円を予測している。
一方、「アイドル市場」は、アニメ市場より規模が小さいものの、増加幅が大きかった。ユーザー消費金額ベースで、2015年度は前年度比30.7%増の1550億円。16年度は20.6%増の1870億円で、17年度は前年度比15.0%増の2150億円と、増加基調が続いているものの、増加率は減少している。18年度は11.6%増の2400億円となった。
「ジャニーズ」や「AKB48」グループを中心に、引き続き中核となるファン層が市場を支えるとともに、他のアイドルグループの台頭が継続している。ただ、2019年はジャニーズ事務所とAKB48グループの活動低下が影響。それによって、増加率の鈍化が懸念されるが、急速にファン層の支持を失うことは考えにくく、2019年度は前年度比6.3%増の2550億円にのぼると予測している。