広告をうのみにしないで公的機関の情報を参考に
神辺さんは、
「これらのケースに共通しているのは、クリニック側の説明が非常に不十分だということです。美容医療サービスは自由診療で高額になりますから、施術内容やその効果、費用、解約条件などの契約内容、また想定されるリスクや副作用については、施術前に必ず丁寧に説明しなければならないことになっています。特に、事例2で問題なのは、医師ではない人物がカウンセリングと称して病状診断や治療方針の決定などの医療行為を行っていることです。医師法違反の疑いがあります。美容クリニックでは全員白衣を着ているところが多いですから、無資格の人物が医療行為をやってもわかりづらい面があります」
と説明。
さらに神辺さんは、特に重要なことを、こう強調した。
「個別のクリニック名の公表は控えますが、これまで10件以上のトラブル相談がある問題のある美容クリニックが、全国で約30もあります。男性はインターネットで美容クリニックを探す場合、費用が安いところなど、いい情報しか調べない傾向がありますが、クリニックの広告をうのみにしないで、施術のリスクや高額の治療費を請求される危険性についても事前にしっかり調べてほしいと思います。厚生労働省や消費者庁、国民生活センターなど公的機関が出す注意喚起情報なども併せて調べて、どういったリスクがあるのかを把握しておくことがとても大事です」
(福田和郎)
※ 相談には、下記の公的機関のサイトを参考に......
(1) 厚生労働省
「確認してください!美容医療の施術を受ける前にもう一度!」
(2) 消費者庁
「美容医療を受ける前に確認したい事項と相談窓口について」
「美容医療サービスを受けるに当たっての確認ポイント~美しくなるはずが予想外の腫れ・痛みに~」
(3) 政府広報
「美容医療サービスの消費者トラブル サービスを受ける前に確認したいポイント― 」
(4) 国民生活センター
「各種相談の件数や傾向(美容医療サービス)」