次世代通信規格「5G」の通信網整備をめぐり、米国が「排除」の方針を打ち出している中国の通信機器メーカー、華為技術(ファーウェイ)が2018年に、日本にもたらした経済効果が約8000億円にのぼることがわかった。
2019年度第3四半期までの日本での調達額も、すでに昨年度の年間総額を上回るという。世界的なコンサルティング企業のオックスフォード・エコノミクスが調査。ファーウェイ・ジャパンが11月21日に発表した。米国では逆風下の同社だが、日本では好調を維持しているようだ。
「日本への貢献」2014年の6倍に達する
オックスフォード・エコノミクスの「ファーウェイ、日本経済への貢献」と題した調査報告書によると、ファーウェイの2018年度のビジネス活動によって、同社が日本市場にもたらした経済効果が、2014年の6倍となる7660億円に達した。
2018年の、ファーウェイの日本市場におけるビジネス活動による直接的な貢献(直接的効果)は約200億円。また、ファーウェイとそのサプライチェーンは、14年と比べて3倍となる合計4万6400人の雇用をもたらし、5210億円の間接的な経済効果(間接的効果)を生みだした。ファーウェイと、そのサプライチェーン関連企業による賃金支払いを通じた貢献(誘発的効果)は2250億円。さらに日本国内の事業は2080億円の税収を生み出したことを明らかにした。
2014年から18年にかけて、ファーウェイは日本企業を通じて2.2兆円にのぼる製品を調達し、5年間の年間平均増加率は33%に達している。18年だけで、その調達額は7210億円にのぼり、そのうち6980億円(97%)に相当する調達は、日本以外の海外市場で使われているという。
ファーウェイの梁華(リャン・ファー)会長は、
「ファーウェイの2019年1月から9月までの日本企業からの調達は7800億円に達しています。これは昨年1年間の調達金額を上回っています」
と説明。米中貿易協議をめぐり、2019年のファーウェイを取り巻く環境は厳しいものがあるが、第3四半期までのファーウェイ世界全体の売り上げは、前年比24.4%増加している。