2019年10月25日にビットコイン(BTC)が急騰。80万円前半で推移していたビットコインは、翌日には1BTC=110万円を超える上昇を見せました。
この背景には、中国の習近平国家主席がブロックチェーンを革新的技術として捉え、中国がリードするといった旨を発言したからだとされています。
ザッカーバーグ氏予見「米国がつくらなければ、中国がつくる」
24時間でみたとき、この時の上昇率は2017年の急騰相場以来で、歴代3番目の上昇率だそうです。
こちらのコラムで、これまでも中国と仮想通貨との関係について話してきましたが、実際にニュースが出てくるとインパクトが大きいことがわかります。
参考記事:2019年8月18日付 J-CAST会社ウォッチ「凄まじき中国人の投資意欲! ビットコイン価格を上昇に『誘う』怪しい動き」
2018年秋から仮想通貨と人民元の取引が禁止されている中国ですが、開放に向けて舵を切ってくるのでしょか。
そこで、中国の仮想通貨・ブロックチェーン関連で、どのようなニュースが出ているのか説明していきます。
今回の習近平国家主席の発言は、中国共産党中央政治局が開いたブロックチェーン関連の研究会での発言でした。それを翌日にニュースとして取り上げられ、ビットコインの急騰につながったという流れです。
※参考リンク
人民日報:http://en.people.cn/n3/2019/1111/c90000-9630907.html
日本語訳:https://coinpost.jp/?p=117040(CoinPost)
このことから、習近平氏は「仮想通貨の父」と呼ばれるまでになっています。
じつは、ニュースとして取り上げられる前日には、フェイスブックの仮想通貨プロジェクトである「リブラ」の公聴会が行われました。マーク・ザッカーバーグCEOがリブラの説明を行いましたが、基本的にリブラの発行阻止の流れになっており、しばらくはリブラが世に出ることはなさそうです。
公聴会では、ザッカーバーグCEOが
「米国がつくらなければ、中国は数か月で同様のモノをつくるだろう」
と発言しました。
その翌日に、大々的に中国でニュースになったということは、米国の出方を見て中国が動いたと見てとれます。中国・人民日報にもブロックチェーン推進といった旨の記事が掲載され、全国民にアピールしたと捉えることができます。
2020年元日、中国で「暗号法」が施行
10月27日、中国は仮想通貨ビジネスの発展を支え、サイバー空間と情報の安全性を確保することが狙いとされる「暗号法」を可決(2020年1月1日施行予定)。さらに、毎年禁止されるのではないか、とされていたマイニングに関しても禁止しないことが明らかにされました。
法律が変わることは、非常に大きな意味があります。日本では、2017年4月に通称仮想通貨法案が施行されました。そこから、仮想通貨の上昇劇が始まり、日本で熱狂的にブームを巻き起こしたといっても過言ではありません。
今後は中国発の仮想通貨ブームが到来する日も、近いのではないでしょうか。
中国人が本格的に参入してくるとビットコインがどこまで上昇するのかは計り知れませんが、ドイツで8番目に大きいバイエルン州立銀行の調査報告によると、ビットコインは2020年5月に、1BTC=970万円になるのが適正価格だと算出しています。
参考記事:2019年10月8日付 仮想通貨Watch(インプレス)「ビットコイン、2020年5月に970万円。ドイツの銀行が適正価格を算出」
このとおりになる保証はありませんが、2019年には35万円だったビットコインが一時150万円位まで上昇しました。何が起こるかわからない仮想通貨ですから、一見「常識外れ」と思われる予想もしっかり押さえておきたいですね。(ひろぴー)