北朝鮮に「おじけづいた犬」と馬鹿にされながら物乞い外交
そのためには北朝鮮も巻きこみたいと、何度も金正恩(キム・ジョンウン)委員長に招待状を送っているのだが、コケにされて、「物乞い外交」として批判されているのだ。朝鮮日報(11月22日)「社説:韓国国民を赤面させる『金正恩ショー』物乞い」がこう伝える。
「北朝鮮は10月21日、文在寅大統領が金正恩委員長に宛てて韓国・ASEAN(東南アジア諸国連合)特別首脳会議への招請親書を送ったという事実を明かすとともに、この招請を拒否した。北朝鮮側は、答礼訪問拒否の理由について『濁りに濁った南朝鮮(韓国)の空気』のせいだとした。『南朝鮮当局が外部勢力依存から脱皮できていない』とも主張した。米国を圧迫して北朝鮮制裁を解くということができずにいることへの非難だ」
「北朝鮮側は、文大統領が、金正恩が来られないのなら特使でも送ってほしいという要請を数回にわたって送ってきた事実も公にした。韓国がどれほど窮して自分たちにすがってきたかを公開しているのだ。韓国大統領がなぜ、北朝鮮のような暴力犯罪集団相手に物乞いまでしなければならないのか。これは国家安全保障のための交渉なのか、政権安定のための政治なのか」
朝鮮日報は、さらにこう憤る。
「文大統領は、金委員長の『おじけづいた犬』『ゆでた牛の頭』などの無礼な侮辱の前でもぺこぺこしている。国のありさまをこれほどにして、戻ってくるものは何か。金正恩ショーに対する幻想から目を覚ますべきだ」
11月7日、日本海で操業していた北朝鮮のカニ釣り漁船の船員2人が、仲間の船員16人を殺害して韓国に亡命してきた。韓国政府は「犯罪者を受け入れるわけにはいかない」と、すぐさま北朝鮮に送り返した。
金正恩委員長への「忖度」が働いたためだが、脱北者を北朝鮮に強制送還したのは史上初めてだ。国際人権団体と韓国野党が、一斉に文大統領を糾弾している。
ここまで北朝鮮外交で「弱腰」を批判されている以上、日本に対しては威勢よく「強腰」にふるまう以外にないわけだろう。
(福田和郎)