東急不動産が主催するアートフェアイベント「GRADATION 代官山」が2019年11月22日、東京・代官山の複合施設「テノハ代官山」で始まった。
渋谷駅中心の半径2.5キロメートルの地域を「広域渋谷圏」として大規模な再開発を進める同社は、アートやカルチャーがエリア活性化に向けて大切な要素とみる。イベントで、「エネルギッシュな渋谷のいまを体感してもらうことができれば」と期待している。
シブヤはさまざまな個性が集まる「ミックスシティ」
若者カルチャーをリードして、時代とともに変化する街「シブヤ」。最近はIT企業が集積するビジネス拠点としても注目されている。活気に溢れるシブヤだが、じつは松濤や南平台~代官山を控える高級住宅地の一面ももつ。
そんなシブヤを長く見守り、育ててきた東急不動産が、表参道や原宿を含む「広域渋谷圏」を掲げ、新しいシブヤの街づくりに一石を投じた。
「テノハ代官山」は東急東横線代官山駅から徒歩3分。代官山のシンボルだった「代官山ラヴェリア」と「代官山東急アパートメント」跡地に2014年11月、5年限定でオープンした。これまで、ショップやレストラン、オフィスやショールーム、フィットネススタジオなど、さまざまなテナントが入居していたが、今年10月末に閉館した。
クロージングイベントの意味合いも持つ「GRADATION 代官山」には、大家から新進まで、40近いアーティストが参加。ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホル、英現代アーティストのダミアン・ハースト、写真家の森山大道や荒木経惟をはじめ、ジャンルはアート、音楽、デザイン、ファッション、テクノロジーなどに及ぶ。
アーティストの世代、国籍も多種多様。シンガポール出身の写真家レスリー・キーが20年間撮り続けてきた「VOGUE Taiwan」の表紙写真も展示され、世界のスターたちの魅力的な表情をじっくり見ることができ、「渋谷のいまを体感」できる。
「さまざまな個性が集まるミックスシティ、そして『新しい分野の発信拠点』という渋谷のイメージをフルに表現できるイベントに、と考えました」
と、東急不動産都市事業ユニット渋谷プロジェクト推進本部の横山大輔係長は狙いを語る。刺激的な街・シブヤを、ますます刺激的にしようというわけだ。
期間中(12月15日まで)は午後11時まで「ミュージックラウンジ」も開かれ、アート空間の中で、多くのDJのプレイスタイルを毎日楽しむことができる。渋谷の観光地化に向けた課題とされる「ナイトエコノミーの活性化」に向けて、新しい可能性を探る試みと考えているという。