Zホールディングス(ヤフー)とLINEの経営統合が、大きな話題になっています。
ヤフーはインターネット黎明期にソフトバンクの孫正義氏の先見により、日本初のWEB検索エンジンとして1996年に創業し、その後さまざまな事業拡大をはかりながら、親会社ソフトバンクとの連携を含めてIT業界で確固たる地位を築いています。
一方のLINEは韓国資本ネイバーの子会社で、対話ソフトLINEアプリの我が国における爆発的なヒットによって、今や国内8000万人を超える利用者を抱える一大IT企業として一目置かれる存在であり、この両社の統合はネットとスマホの両雄統合によるメガプラットフォーマー誕生への布石として注目を集めているわけです。
圧倒的なシェアの「巨大」Payが誕生
この経営統合の背景にある重要な事情のひとつは、今まさに主導権争いが加熱している我が国におけるキャッシュレス化の進展、すなわちQRコード決済におけるイニシアチブ奪取があります。
QRコード決済は昨年来、雨後の筍の如く多陣営が乱立して、消費者もどこを選んだらいいのか、まったく判断基準が提示されないまま、各陣営が乱発するバラマキ・キャンペーンに翻弄されている感が強くあります。
具体的には、大手各陣営が主導権を確保しようと断続的に100億円単位のコストをかけて、やれキャッシュバックだ、ポイント還元だと、過激な陣地争いを仕掛け合っているわけなのです。
ヤフーは現時点での利用率1位のPayPay、LINEは同3位のLINE Payを引っさげて、まさに争いの渦中にあるのです。ただこの争い、現時点では利用者の引っ張り合いの域を出ず、確固たる主導権をどこが手にするのか、その先行きまでは見えないまま、消耗戦に突入した感が強く漂っています。
同時にQRコード決済はキャッシュレス・ビジネスという新時代を切り開く最先端サービスであるがゆえに、他陣営に先駆け次なるサービス開発競争もポイントであり、その開発コストも半端ないと言われているのです。