【日韓経済戦争】ユニクロまた批判の集中砲火、韓国ブランドも同じことをしているのに...... 韓国紙で読み解く

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   韓国で何度も不買運動のやり玉に挙がってきたユニクロが、またまた猛反発を浴びている。今度はヒートテックの無料プレゼントセールだ。ライバルの韓国ブランドはユニクロの2倍の規模で同じセールを行っているのだが......。

   追い討ちをかけるように、時を同じくしてユニクロ批判のきっかけを作った大学生が「正義の市民」として表彰されるありさま。韓国紙で読み解くと――。

  • ユニクロ批判で「正義の市民賞」を受けた大学生(中央日報11月5日付より)
    ユニクロ批判で「正義の市民賞」を受けた大学生(中央日報11月5日付より)
  • ユニクロ批判で「正義の市民賞」を受けた大学生(中央日報11月5日付より)

10万枚のヒートテック無料プレゼントがアダに?

   10万枚ものヒートテックの無料プレゼントで押すな押すなの盛況となったユニクロの状況を朝鮮日報(2019年11月19日付)「ユニクロの景品イベントに店内大混雑...『自尊心守ろう』自省論も」がこう伝えている。

「『今日準備した景品はすべて無くなりました』。11月19日午後、ソウル・江南にあるユニクロの店舗に入ると、店員による案内放送が流れた。商品を購入した顧客に先着順にプレゼントしていたヒートテックが早くもなくなったという内容だった。反日運動によって売り上げに打撃を受けたユニクロが、自社のヒット商品ヒートテック10万枚をプレゼントするイベントで攻撃的な販売促進に乗り出した」

   ユニクロはこれに先立ち、秋・冬の新商品発売に合わせて割引セールを展開したが、売り上げが伸びなかったため景品イベントを実施した。購入金額に関係なく、製品を一つでも買えばヒートテックがもらえるとあって、ソウル市内のほとんどの店舗では、お昼前後にその日の分の景品プレゼントが終了した。

   朝鮮日報記者の取材に応じた客たちは口々にこう語った。大学生のキムさんは「友人がヒートテックを購入してもう1つもらったと言うので店を訪れたが、景品がなくなったというので帰るところ。思ったより店に人が多くて驚いた」と話した。一方、会社員のパクさんは「『おまけマーケティング』につられた人々の気持ちが理解できない。自分の欲しいサイズの製品がもらえるわけでもないのに、おまけをもらうためにどっと店を訪れる様子はあまり良い姿には見えない」と非難した。

   朝鮮日報によると、インターネット上でも非難の世論が強いという。誠心女子大のソ・ギョンドク教授は自身のフェイスブックに、ユニクロの店舗前に並ぶ人々の写真を掲載し「韓国人を見下し、日本軍慰安婦をあざけるCMを制作した会社がおまけで配る下着を、どうしてももらいに行かなければならないのですか? こうした状況を見て日本の右翼やメディアはどれほどあざ笑っているだろうか? われわれ皆が最低限の自尊心だけは守ってほしい」と指摘した。

ネット上では「下着プレゼントの韓日戦」の声も

   中央日報(11月16日付)「ヒートテック10万枚無料イベントに...『ユニクロ不買』も客は増加」も、こんなユニクロ批判の声も紹介している。

「破格的なプロモーションに対し、オンライン上では『物議をかもしておきながらこれでイメージが良くなるのか』『これで行って買えば日本のメディアに嘲弄される』などの否定的なコメントが続いた。また、タダだが色とサイズを消費者が選べないことへの批判もあった。あるネットユーザーは『残り物のサイズを何でも配るのではないのか。売れないサイズを処理するようだ』と指摘した」

   もっとも、10万枚を無料プレゼントしたからと批判されても、ユニクロも気の毒な面がある。ユニクロに代わるブランドといわれる韓国のカジュアルウエアブランド「TOPTEN10」(トップテン)が、ユニクロより一日早い11月14日から、同社の発熱性インナー「オンエア」を無料プレゼントするイベントを行っているからだ。トップテンが用意した「オンエア」はユニクロの2倍の20万枚だ。朝鮮日報(11月19日付)によると、オンライン上では「おまけの韓日戦」「下着の韓日戦」などと笑い飛ばす声が出ているという。

   さて、ユニクロにとって、またまたメディアから格好の追撃を受ける事態が起こった。ユニクロのCM批判のきっかけを作った大学生が「正義の市民賞」を受けたというのだ。

「慰安婦嘲弄CM」パロディつくった大学生が「正義の市民賞」

   中央日報(11月5日付)「『慰安婦嘲弄』ユニクロ批判の大学生、『正義の市民賞』受賞」がこう伝える。

「慰安婦嘲弄議論を呼び起こしたユニクロ広告をパロディにし批判した全南(チョンナム)大学史学科4年生のユン・ドンヒョンさん(25)が11月4日、光州市(クァンジュシ)から正義の市民賞を受けた。光州市のイ・ヨンソプ市長は『ある青年の覚醒した意識が歪曲された歴史を正しく立て直す契機になった。これを実直に評価し、市民とともに共有することもまた、光州共同体の役割』と話した」

   ユニクロは今年10月、人気商品フリースの25周年をアピールするCM動画を世界に流した。98歳の白人女性が、13歳の黒人少女から「私の年くらいの時にはどんな服を着ていたの?」と聞かれ、「まさか、そんな昔のことは覚えていないわ」と答える内容だが、韓国語の字幕だけに「80年も前のことを覚えているかって?」という意訳がつけられた。80年前といえば日本の植民地時代にあたる。このため、意図的に表現を変えて、韓国人慰安婦を「忘れろというのか!」「からかっている!」と猛批判を浴びた。

   そのきっかけをつくったのがユンさんなのだ。ユンさんは、さっそくSNSに「ユニクロ広告パロディ」という題名の動画を立ち上げた。実際に慰安婦だった89歳の女性ヤンさんと一緒に動画に出演。ユンさんが「私の年頃にどれくらい大変でしたか?」と尋ねると、ヤンさんは「それほど残酷な苦しみは永遠に忘れられない!」と叫ぶ内容である。

(福田和郎)

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