米中貿易協議は、前向きなニュースと後向きなニュースが交錯して一進一退。予断を許さない状況が続いている。それでも、米中両国の歩み寄りへの期待感は高まり、心理的な節目として働いている2万3000円を下値に、上を目指す。
一方、外国為替市場でドル円相場は、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、議会証言で政策金利を当面据え置く考えがあることを示唆。リスク回避的なドル売り・円買いは抑制されるとみられてはいるが、利下げの打ち止め観測は後退していない。
どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 アジア株の軟調響く
日経平均株価予想レンジ:2万3000円~2万3800円
2019年11月15日(金)終値 2万3303円32銭
今週の日経平均株価は、強含みもみあいが予想される。
前週の日経平均株価は、6週間ぶりに反落した。おおむね横バイ圏での動きだったが、力強い上昇は一服となった。トランプ米大統領が米中貿易協議に関して、現時点での合意を否定したことが嫌気された。また、香港のデモ激化による政情不安により、アジア株が軟調に推移したことも影響した。
今週の日経平均株価は、2万3000円を下値に強含み、もみ合いが予想される。米中貿易協議の進展次第では、2万4000円を目指す展開もありそうだ。今週は経済政策やイベントが少なく、注目材料に乏しいが、香港の政情については注意が必要となりそうだ。
東京外国為替市場 米利下げ「打ち止め観測」消えず
ドル・円予想レンジ:1ドル=107円50銭~109円50銭
2019年11月15日(金)終値 1ドル=108円73銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、上値は重いものの、底固い動きとなりそうだ。
前週のドル円相場は、ドルの上値が重い展開が続いた。米中貿易協議の進展が足踏み状態となったことが嫌気され、リスク回避のドル売りが見られた。
今週のドル円相場は、米中貿易協議に対する不安が薄れ、リスク回避のドル売りが減少しているため、底堅い動きとなりそうだが、半面、米中貿易協議に対する不透明感が残っており、ドルの上値も重くなりそうだ。
市場の目は再び米国の金融政策に向かっており、20日発表のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨の内容に注目したい。
経済指標は、国内では20日に10月の訪日外客数、10月貿易統計、22日に10月消費者物価などが予定されている。
海外では、19日に米国の10月住宅着工件数、20日に10月29日、30日開催のFOMC議事録などが予定されている。
(鷲尾香一)