第46回東京モーターショーが、東京ビッグサイトで開催された(2019年10月24日~11月4日)。そこで思い出したのが、マブチモーター。前回、2017年に同社のブースに足を運んで、クルマ1台に小型モーターが約50個も使用されているとの説明を聞いて驚いた。
それまでは、パワーウインドウやドアミラー用に、数個程度使用されているだけかと思っていたからだ。調べてみると、クルマに使われている小型モーターの個数は2年前から、さらに増えているらしい。
小型モーターはクルマには欠かせない
定年退職した世代にとって、「マブチモーター」には懐かしい、たくさんの思い出がある。小学校の理科の時間に、銅線を巻いて小型モーターを作り、それを使って豆電球を灯した記憶を持つ人は、少なくないのではないか。
マブチモーターを使った鉄道模型で遊び、定年退職した今も、鉄道模型を趣味に過ごしている友人がいる。その友人によると、「鉄道模型」の楽しみは、模型車両を組立て、操作することで自分の世界に没頭できることだという。その趣味の世界を、マブチモーターが支えている。それほど、「マブチモーター」は印象的なのだ。
そんなマブチモーターが、いまやクルマを快適に走らすうえで欠かせない、小型ブラシモーターの大手企業に成長している。
クルマ用の小型モーターには、「ブラシモーター」と「ブラシレスモーター」があって、モーターを動かすと起こる騒音源はブラシなどの接触部品によるものという。接触部品のないブラシレスモーターは、静かな回転が要求されるパソコンにも使用されている。ただ、コスト面から、クルマ用小型モーターはブラシモーターが主流らしい。
同社の事業構成(2018年12月期)をみると、自動車電装機器分野向け、小型モーターが73%、民生・業務機器分野向けは27%と、自動車関連に特化している。
また自動車向け以外では、身近なところでは、ヘアードライヤーなどに利用されているようだ。
株価は今が買いどきか?
2019年8月10日付の日本経済新聞には、「マブチ 純利益41%減 今期下方修正 車用モーター不振」の見出しがあった。「マブチモーターは9月2日、2019年12月期の連結純利益が前期比41%減の135億円になりそうだと発表した」とあり、従来予想(35%減の148億円)から下方修正した。主力の自動車向けモーターの販売が中国や欧州を中心に振るわないことや、前期に計上した不動産の売却益の反動が響いたようだ。売上高は6%減の1350億円を見込んでいるという。
8月9日に発表した2019年12月期決算の業績下方修正で、株価はマイナス要因を織り込んだようだ。
株価チャートを見ると、2015年6月に1株当たり8230円の高値を記録。その後2019年1月14日に、3130円まで下落している。
8月9日決算発表での業績下方修正を受け、8月13日の株価は安値3540円を記録。その後株価は上昇に転じる。10月31日発表の第3四半期決算を受けて、この日の終値は前日比240円高の4425円。翌11月1日には、4670円の年初来高値をも更新している。市場が、2019年12月末決算見通しを織り込んだ今が、「買い」を検討するいい機会と考えている。
東京株式市場の日経平均株価も連日のように上昇し、年初来高値を更新している。ところが、ここにきて日経平均株価の一日の上下幅が272円(11月13日、高値2万3542円~安値2万3270円)の動向が気になる。とはいえ、3500円までの下げは期待できそうにない。これは買うタイミングを逃したかも......。
2019年11月15日現在 保有株ゼロ
年初来高値 2019/11/1 4670円00銭
年初来安値 2019/1/4 3130円00銭
直近 終値 2019/11/15 4510円00銭