TVタレントより高い親和性をもつ「ユーチューバー」
「インスタ映え」の流行語で、使ったことがない人でもその存在だけは知っているインスタグラム。インスタ映え作品が多い「インスタグラマー」は、多くのフォロワーを抱え、強い影響力を持つようになる。
動画投稿サイト、ユーチューブでは、「ユーチューバー」と呼ばれるパフォーマーが登場するようになり、その仕事でプロ化する人も少なくない。
インスタグラマー、ユーチューバーらは、インターネット上で影響力を持つ「インフルエンサー」となり、近年はそのビジネス利用が盛んになっている。というのも、こうしたインフルエンサーとテレビタレントを合わせた、生活者に与える影響調査(10~40代男女)などで、1位=ユーチューバー、2位=テレビタレント、3位=インスタグラマー――という結果が出るなど、インターネット利用者らのあいだでは総じて、テレビタレントよりインフルエンサーへの親和性が高いことが示されているからだ。
同じ調査で、「インフルエンサーの投稿とメーカーやブランドの投稿のどちらを信頼するか」という問いには、インフルエンサー=37%、メーカー・ブランド=35%と拮抗した。
SNSのビジネス利用が拡大しているのは、インフルエンサーがテレビタレントに代わる存在だからというわけではない。情報伝播のタイプが、SNSにつきものの「いいね!」と深い関係をもつ「シミュラークル」モデルであるというのも大きな理由の一つだ。「シミュラークル」は、シミュレーションといった言葉と同じ原義を持ち、「模倣」「コピー」「模造」などが近い意味を持つ。「いいね!」がリレーされている間に、いつの間にか多くの人に同じ情報が共有されることになる。