韓国財閥より「やや低い水準」だが、諸手当がいい日本企業
人手不足に悩む日本企業にとって、隣の韓国の優秀な若者たちはのどから手が出るほど欲しい人材なのだ。それは、日韓経済戦争が勃発する前の今年5月に開かれた、同じ海外就職博覧会の様子を見てもわかる。
韓国経済新聞(6月6日付)「韓国の人材を求める日本企業...TOEIC高得点なら月1万円追加、住居費支援」がこう伝えている。
「博覧会を訪れた求職者が日本企業の採用相談ブースを見回っている。総合営業・事務職3人、技術職3人採用。年俸は248万4000~274万8000円(2710万~3000万ウォン、ボーナス2回別途)。世界で職員が16万8000人にのぼる日本自動車部品企業デンソーの外国人採用公告内容だ。デンソーは週5日勤務、ゴールデンウイーク・夏期休暇・年末年始休暇それぞれ10日間、有給・特別休暇など年間121日の休暇提供条件を掲げた。
求人難に苦しむ日本の企業は優秀な韓国人人材を採用するためにさまざまな条件を提示した。電子部品製造会社SMKはTOEIC860点以上の職員に月1万円の資格手当を支給。総合物流会社の山九は地方勤務者に月1万円の手当を出し、既婚者には家賃を補助。エンジニアリング会社CALは電車・バスなど交通費を全額支給、顧客関係管理専門会社トランスコスモスは通勤手当として月5万円を支給。ソフトウエアの富士インフォックスネットは職務関連資格を取得すれば最大10万円の報奨金を支給......といった按配だ。これらの企業は就職合格者に来日するための航空料と引っ越し費用も提供する。
韓国経済新聞などによると、給与面だけを見ると、日本企業が提示する額は、韓国の財閥系大企業に比べると「やや物足りない」水準だ。ただ、日本企業には韓国企業にはない魅力がある。年間2回の賞与金と1回の昇給だ。昇給のスピードも韓国より速い。また資格を取ると諸手当をもらえる点もメリットだ。
日本には知名度は低いが、業績が優れて従業員の待遇もいい「中堅企業」が非常に多い。ところが韓国では、財閥系大企業と中小企業との間の落差が激しく、給与面では2倍上の格差がある。「中堅企業」がほとんど存在しない状態だ。「中堅企業」クラス以上を目指す韓国の若者には日本企業は大きな魅力なのだ。