セルフィッシュは利他のため
翻訳版タイトルの「selfish」は、第1章のテーマ「信じられないくらいセルフィッシュになれ!」からとったもの。秦さんは「この言葉が大好き」で、書名にしたという。「selfish」は「わがまま、利己的」などの意味で、ネガティブなイメージに聞こえるが「この言葉の本質をしっかりアプロ―チしていくと、信じられないくらい豊かな気持ちでいられる」と、秦さん。
セルフィッシュについてレナード氏のコーチングでは、「『自分本位』という言葉に対する新しい見方を身につけなくてはならない」とガイダンス。自分のことをよく考え、自身のことが詳しくわかるようになれば、自分が無理をしない範囲で気持ちよく他の人を助けられる基盤ができる。「それがないと、よく心優しい人が陥るように、他人のために自分をすり減らすことになってしまう」。セルフィッシュになることでこそ他人を気にかけるゆとりが生まれるのだという。
テーマはほかに「未来というコンセプトを捨てる」「あらゆることに根本的に対応する」「細部にこだわりつくす」「いっさい大目に見ない」―など。
よくわかっている物事についても、アングルを変えると違う見え方がすることを気づかせてくれる一冊。「THE PORTABLE COACH」は米国では現在、「THE 28 LAWS OF ATTRACTION」改題され刊行され続けている。
「selfish」
トマス・J・レナード、バイロン・ローソン著、糟野桃代訳、秦卓民監修
祥伝社
税別2000円