ビジネスの「リーダー」として活躍する人の特徴を紹介した記事を、よくみかけます。
仕事ができて、責任感が強く、精神的に強い人、と考えがちですよね。あるいは努力をすることを嫌がらず、他人が嫌がることを引き受けて仕事をする人かもしれません。株式公開を果たした知人の経営者は、周囲に対して触発する行動。語りかける行動。称える行動。育成する行動が、目に付く人と言っていました。
いずれにしても、リーダーらしい行動をしている人は、周囲から自然と仕事が集まります。
「タイムマネジメント」は仕事を効果的に進める「技術」だ!
リーダーらしい行動をとる人は、当然ながら忙しくなります。忙しい中で仕事をこなしていくと、さらに仕事が集まる。その繰り返しで、時間が足りなくなります。なので、リーダーにとって重要な課題となるのが、タイムマネジメント。時間を有効活用し、仕事を効果的・効率的に進めるための「技術」のことです。
スケジュール管理と混同されることがありますが、スケジュール管理はどちらかというとスケジュールの管理や把握といった意味合いが強く、それに対してタイムマネジメントは、目標を明確にし、必要な作業を元にスケジュールを組み、計画に従って時間をコントロールして仕事を進めていくマネジメント・サイクルをまわすことを言います。
ある意味で個人の業務改善。「きょうは精一杯やった!悔いなし」と、言い切れる日をつくることとも言えます。
ちなみに、タイムマネジメントに関するビジネス書は星の数ほど出版されています。それだけ、時間に追われていると認識している人が多いからかもしれません。いまの自分に足りないものと質問すると、 お金、やる気に次いで時間が登場します。「タイム・イズ・マネー」と言われますが、時間はかけがえのないものなのです。
最近はシステマティックなタイムマネジメントの方法を書いたビジネス書が増えていますが、本当に重要なことを見極め、それを確実に実行するための、方法論。「より少なく、しかしより良く」「本当に重要なのは何か?」それ以外のことは、全部捨てていい...... と書かれていたりします。
目標は具体的であるほど改善しやすい
ただ、これらを実行する際に「理想論」を語り、それを無理矢理当てはめてはいけません。現実の壁に阻まれて、何も変えられない可能性が高いからです。冷静に、客観的に、自分のこれまでの時間の使い方を分析してみることから始めてください。
意外と手付かずの改善箇所がいろいろと見えてくるものであるものです。ちなみにタイムマネジメントの注目度は俄然高くなってきました。その理由は、高い労働生産性が求められるようになったからです。
・1時間で作成していた報告書が30分で作成できるようになった
・残業を週5時間してこなしていた売り上げを残業ゼロで達成した
こうした時間当たりの生産性の向上を、企業が求めるようになりました。加えて言うなら、ワークライフバランス(仕事と生活の調和)を重要視する動きも一因です。いずれにしても、成果を出すための長時間労働を称える時代には後戻りはないでしょう。
では、タイムマネジメントを実行して成果を出すヒントを紹介してみたいと思います。
単純に、時間をできるだけ削るのがタイムマネジメントと思われがちですが、それは誤解。時間を削る部分は作業部分であり、その他の部分、特に「目標」の設定にはじっくりと時間をかけるべきなのです。
目標とは、「自分にとって重要な仕事が何か?」を明確にして、「どのレベルで」「いつまでに」仕上げるのかを設定すること。「受注する」とか「書類作成をする」と漠然とした目標ではなく、「今月中に新規アポイントを10名取る」「明日までに5件分の書類を作成する」など、数値を入れて目標に具体性が増します。
目標は具体的であればあるほど、改善しやすくなります。目標を設定したら、さらに細かなアクションプランまで落とし込みます。たとえば「今月中に新規アポイントを10名取る」ことが目標であれば、そのために何人分のアポイントの候補先が必要か。その準備時間、アポイントを取るためにかかる時間を想定。少しでも時間を短縮して成果を導くために、どのような工夫が凝らせるかを考えてプランを落とし込むことで、より実践的なタイムマネジメントになります。(高城幸司)