朝ドラ「スカーレット」 リアルな女性の「自立物語」にビジネスパーソンが称賛

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「社会的、経済的、ジェンダー的な視点が丁寧に貫かれている」

ヒロイン役の戸田恵梨香さん(似顔絵・池田マコト)
ヒロイン役の戸田恵梨香さん(似顔絵・池田マコト)

   ドラマの舞台、丸熊陶業で働き始めた喜美子は、深野心仙(=フカ先生、イッセー尾形さん)に頼んで素焼きの絵付けをさせてもらう。「ええよ~」。深野のOKをもらった喜美子は、絵付け師になる夢の第一歩を進んだと勝手に思い込んでしまうが、厳しい現実の壁にぶち当たるのだった。深野はただの遊びだと思っていたのだ。

「ここでやすやすと『君、才能あるな』『すぐにでも来てくれ』『すごいな。さすが喜美ちゃんや』『天の恵みや』とかならないところが最高だな」
「このただの体験に来ただけなのに『才能あるよ、やってみないか?』と言われたパターンが『なつぞら』だと思うと、今さらながらそのイージーさに笑えてくる」
「フカ先生とお弟子さんズ、喜美子が甘い考えで仕事をしたいと言っても、馬鹿にしたり、頭ごなしに言ったりしないで、現実を淡々と教えてくれる態度、いいな」
「秀逸なのは、喜美ちゃんの絵の才能が見出されるわけでも否定されるわけでもなく、弟子入りして3年間無給で耐え忍んで修行することができないから絵付けを続けられなくなったところだ。この社会的、経済的、そしてジェンダー的な視点が丁寧に貫かれているところがスゴイ」

   ジェンダー的な視点では、こんな声がある。

「今日の回で一番刺さったのは、食堂のおばちゃんが厚意から誘ってくれる休憩時間のおしゃべり。これはね、100%善意からの言葉ですごく嬉しくもあるけれど、夢のために寸暇を惜しんで絵の勉強をしたい喜美子にとって、どっと疲れる好意なんだよな」

   このように、家庭でも職場でもがんじがらめに縛られる喜美子。

「自分に気持ちが芽生えたら夢に向かってすぐ走り出せるなんて、家の経済状況と家庭環境に恵まれている人だけです。実際はスタートラインにさえ立てない人が多くいて、スカーレットはスタートラインにたどり着く大変さを痛いほど描いています。やはり、朝ドラはこうでないと、ヒロインを心から応援できない。前作のように何の苦労もせずに思いどおりに進む話より、苦労に苦労を重ねて、自分の夢を叶えていくからこそ視聴者も共感できます」
「あの時代だけじゃなくて今だって、やりたかったことを『済んだ話や』って自分に言い聞かせて諦めた人はいっぱいいる。 やりたいことをやりたいだけ出来た人の裏にはこうやって我慢した人が必ずいる。そういう人たちにスポットをあてたドラマだ」
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