【株と為替 今週のねらい目】過熱する株式市場、6週連続高はある? (11月11日~15日)

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   米中貿易協議の進展への期待が高まったことで、米国株の上昇や為替相場の円安進行と、前週の東京株式市場の日経平均株価は5週連続高の上げ幅は2000円近くに達した。ただ、連日の上昇によって株式市場は過熱感が漂ってきた。

   ただ、米中貿易協議は合意に向けて予断を許さず、外国為替市場ではさらなるドル買いの材料にはなりづらい。どうなる? 今週の株式・為替マーケット!

  • 株式市場は過熱感が漂いはじめた。
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東京株式市場 パウエルFRB議長の議会証言に注目

日経平均株価予想レンジ:2万3000円~2万3900円

   2019年11月1日(金)終値 2万3391円87銭

   今週の日経平均株価は、過熱感が強く、日柄調整(相場においての時間的な調整のこと。株価が大きく上昇し、買い注文と売り注文が拮抗した状態のまま揉み合い、日数が経過すること)の可能性が強そうだ。

   前週の日経平均株価は、世界的なリスクオンが進行するなか、連日の高値更新から5週連続高となり、年初来高値を大きく更新した。10月の米国雇用統計が市場予想を上回ったことに加え、トランプ米大統領が米中貿易協議の合意に言及したことで、米中貿易協議の合意への期待が高まった。

   今週の日経平均株価は、5週連続の上昇と2万3000円台の回復で、過熱感が高まっており、高値警戒感もあり日柄調整となりそうだ。米中貿易協議の合意に向けた動きは相場の支援材料となるが、これまでのトランプ米大統領の言動を考えれば、実際の合意まで安心は禁物だ。

   ただ、大きな売り材料も見当たらないことから、ピークを迎える企業決算で、好決算の銘柄には買いが向かう可能性は高い。注目は、13日に予定されているパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長による米議会の上下両院合同経済委員会での議会証言。米国景気の現状認識と今後の金融政策の方向性について注目したい。

東京外国為替市場 「まだら模様」の米経済指標、どうなる?

ドル・円予想レンジ:1ドル=108円50銭~110円50銭

   2019年11月1日(金)終値 1ドル=109円27銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルの上値が重い展開となりそうだ。

   前週のドル円相場は、ドルが強含みの展開となった。10月の米国雇用統計が市場予想を上回る改善となったことや米中貿易協議の進展を背景に、ドルは一時109円49銭まで買われた。

   今週のドル円相場は、米中貿易協議の進展や、米国の雇用情勢の改善とそれによる利下げ観測の後退は、ドルの支援材料となるものの、合意するまでは米中貿易協議は余談を許さず、積極的なドル買い材料にはなりにくい。また、10月の米国雇用統計は市場予想を上回ったが、他の経済指標では「まだら模様」が続いており、今週発表の経済指標が注目される。

   経済指標は、国内では11日に10月の景気ウォッチャー調査、9月の機械受注、10月30日、31日開催の日銀金融政策決定会合の「主な意見」、12日には10月の工作機械受注、14日に7~9月期GDP(国内総生産)などが予定されている。

   海外では、13日に10月の米国消費者物価と財政収支、14日に10月の中国小売売上高と鉱工業生産、15日には10月の米国小売売上高などが予定されている。

(鷲尾香一)

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