英国人が「息子にはラグビーさせない!」ワケ
先日、知り合いの英国人とラグビーW杯の話題で盛り上がっていたところ、彼がふと「息子には絶対にラグビーをさせない!」と言い出しました。その理由を聞いて、今大会が「画期的」と絶賛される、複雑な背景がわかった気がしました。
英国で生まれ、「紳士のスポーツ」とされるラグビーですが、元々は英国内でも裕福な家庭の子息が通う「パブリックスクール」のスポーツだったそうです。
彼いわく、
「イギリスでも金持ちの子どもしかラグビーはできない」
「僕たちはラグビーのことを『差別の象徴』と呼んでいる」
とか。
確かに、英国の旧植民地でも有色人種が多いインドではラグビーはほとんどプレーされていないですし、今回優勝をした南アフリカでも、ラグビーは「白人のスポーツ」とされて、白人以外はプレーどころかスタジアムにも入れませんでした。
ラグビーが長らくアマチュアスポーツとされてプロ化が遅れた背景には、「ラグビーでお金を稼ぐ必要がない」金持ちのスポーツだったからでしょう。
そういったラグビーの複雑な歴史を知れば知るほど、初の黒人キャプテンとしてチームを優勝に導いた南アフリカのシヤ・コリシ選手のスピーチに、なぜ人々が感動したのかがわかってきました。