「ファミサポ、シッター、病児保育...... すべてを使うべき」
一方で、非常に少数だが、「そもそも業務体制に無理がある」「上司に掛け合ってはいかが」というアドバイスもあった。
「仕事の割り振りの話ですから、職場の上司にまず『時短とフルタイムの正社員2人だけでは回りません』と掛け合ってみてはいかが。個人的な問題と受け止めているようですが、組織運営的な解決が必要です。育児期間中の時短勤務の人には、あなたのような事例は珍しくありません。とにかく自分だけで何とかしようと抱え込まないでください」
「同僚の方は、よく1年も我慢したな、優しい人だなと思います。結局、社員の数の問題なので、あなたが全く気にしないでいいと言うわけではありませんが、考えないといけないのは会社のほうです。同僚を苦しめるのがつらすぎるのなら、同僚のためにも会社にきちんと相談すべきです」
J-CASTニュース会社ウォッチ編集部では、女性の働き方に詳しい、主婦に特化した就労支援サービスを展開するビースタイルの調査機関「しゅふJOB総研」の川上敬太郎所長に、この「旦那さんに休んでもらえないの?」論争の意見を求めた。
――今回の投稿に対する反応を読み、率直にどんな感想を持ちましたか?
川上敬太郎さん「投稿者さん自身も大変だったかと思いますが、1年ものあいだ我慢してきた同僚の方の心身の健康が心配になりました。かなり大きなストレスが溜まっているのではでしょうか。もし、同僚の方のモチベーションが下がったり体調を崩したりして、退職するようなことになった場合、投稿者さんの職場はどうなってしまうのか。早々にメスを入れないと、現状のまま放置しておくのはとても危険だと感じます」
――問題の背景の一つには、投稿者の夫が、小さな子が3人もいるのにまったく育児協力をしないこと、それ以上に投稿者自身に夫の出世のために、あえて育児を全部自分が担おうとする意識があるように思います。
川上さん「昨年(2018年)の終わり、仕事と家庭の両立を希望する働く主婦層に、2018年を振り返って夫は家事・育児に十分取り組んでいたと思うかについて調査しました。夫が家事・育児を十分に協力してくれて『満足した』と答えたのは21%だけで、52%が全く協力しない、あるいは少ししか協力せず『不満だった』と回答したのです。つまり、妻が働いているにもかかわらず、夫の半数以上が家事・育児に協力していない現実が浮かび上がったのです。
投稿を読む限り、投稿者さんは自ら進んで育児を引き受けようとしているので、夫が家事・育児をしなくても不満はない(その分仕事に集中して欲しい)のかもしれません。しかし、『育児のことで夫ともめたくない』とも書いているので、心の奥底では夫に育児をして欲しいと思っていても、その気持ちを出さないようにしているのかもしれません」
――投稿者を批判する意見の大半は「同僚に迷惑をかけていることを、夫に言うべきだ」「3人の子の父親なのだから、育児を夫にも負担させるべきだ」という意見です。このことについてはどう思いますか?
川上さん「誰が育児をするかは、ご家族ごとの考えがあるかと思います。ただ、夫に相談しないまま、現状を改善できるのかは疑問です。また夫としても、同僚に迷惑がかかっていると聞けば、そのままでよいとは思わないでしょう。妻が同僚によく思われていないとしたら、その状況は夫にとってもつらいはずです」