外国為替市場のドル円相場は、方向感なく定まらない。米中貿易協議の進展や米追加利下げの休止観測はドル買い材料になるが、米経済指標の悪化はドル売りの材料になる。ドル円の値動きは限定的。為替動向は気がかりだ。
東京株式市場も右往左往。前週までに日経平均株価が4週連続で上昇するなか、心理的な節目である2万3000円に手をかけた。連騰後の高値警戒感もあって、利益確定売りが生じやすい。企業決算などを見極めたいとの思惑もあり、上値は重そう。
どうなる? 今週の株式・為替マーケット!
東京株式市場 今週は「利食い」のタイミングか
日経平均株価予想レンジ:2万2500円~2万3000円
2019年11月1日(金)終値 2万2850円77銭
今週の日経平均株価は、もみ合いか。
前週の日経平均株価は4週連続高となり、一時は年初来高値を更新した。米中貿易協議の進展、米国の利下げなどが好材料となった。
今週は、前週の10月29日に年初来高値を更新して2万3000円を付けたことや、米国の利下げなど大きなイベントを通過したことで、利食い売りのタイミングを迎えており、上値が重くなっている。加えて、米国の利上げに打ち止め感が出ていることで、為替円高に振れやすくなっていることも懸念材料だ。
半面、押し目買い意欲も強く、下値も堅そうでもみあい相場となりそうだ。注目は、本格化し始めた企業決算と、米国の経済指標。特に、最近の米国の経済指標は、市場予想を下回るものが多く、米国の景況感の悪化には警戒が必要だろう。
東京外国為替市場 米国の経済指標に要注意!
ドル・円予想レンジ:1ドル=107円50銭~109円00銭
2019年11月1日(金)終値 1ドル=108円17銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、1ドル=108円台でもみ合いか。
前週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが弱い含みで推移した。米中貿易協議の進展や米国の利下げ打ち止め感が強まったことで、ドルは一時1ドル=109円台までドル高・円安が進んだ。しかし、10月の米シカゴ購買部協会景気指数が市場予想を大きく下回り悪化したことで、米国景気に対する警戒感が強まり、リスク回避のドル売りから、一時1ドル=108円付近までドル安・円高が進んだ。
今週のドル円相場は、10月の米シカゴ購買部協会景気指数が悪化した半面、10月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を上回るなど、米国の経済指標がまだら模様となっており、ドルは1ドル=108円台でのもみ合いとなりそうだ。
米国の利下げ打ち止め感はドルの支援材料だが、米国経済指標の悪化は売り材料となり、方向感の定まらない状況になっている。このため、米国の経済指標には敏感に反応する可能性があり、注意が必要だろう。
経済指標は、国内では5日に10月のマネタリーベース、6日に9月18、19日開催の日銀金融政策決定会合の議事要旨、8日に9月の景気動向指数と毎月勤労統計などが予定されている。
海外では、5日に9月の米国貿易収支、10月の米国ISM(製造業景況感指数)非製造業景況指数、8日には10月の中国貿易収支などが予定されている。
(鷲尾香一)