神保町散歩には、まず「古書センター」に行こう!(Vol.2 「高山本店」)

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最近「面白い」と感じた一冊は......

   高山さんにオススメの商品を聞くと、見せてくれたのは、大正から昭和にかけて発行された「学年誌」(「小學六年生」小学館刊など)の付録。「すごろく」だった。状態によるが、販売価格はおよそ1万円になるという。

   大きなダンボールの中に、新聞紙ほどの大きな紙が包装されて積まれている。鮮やかな色使いで、1964年の東京オリンピックや昔話がダイナミックに描かれ、なかには戦争の様子が描かれているすごろくもあった。

   当時の子どもたちが夢中になった情景が紙を通して伝わってくる。古書店に並ぶものは古本だけではない。さまざまな商品が五感を通して当時の生活の様子を伝えてくれるのだ。

当時の子どもたちを熱くした「オリンピックすごろく」
当時の子どもたちを熱くした「オリンピックすごろく」

   ここ数年、移り変わる神保町での大きな変化に、外国人観光客の増加がある。

   高山さんが、街の面白いイベントを教えてくれた。

   「サクラホテル神保町」で、雨天を除く毎週木曜日に開催している「皇居ランニングイベント」がそれ。メールもしくは電話で申し込めば、誰でも参加できるそうで、午後7時に参加者が集合。皇居一周のコース(5キロメートル)を走り、ランキング後はホテルのシャワーでサッパリしてから、ランナー全員で和気あいあいと夕食を共にする。

   参加者のじつに3割が外国人で、国際交流とランニングを兼ねている。それもそのはずで、この「皇居ランニングイベント」のリーダーは、イグナシオ グディエレスさんというスペインの方なのだ。

「神保町で新しい文化やコミュニケーションが生まれるのがとてもうれしい」

   と、高山さんは言う。

なかざわ とも
なかざわ とも
イラストレーター
2016年3月学習院大学文学部卒。セツモードセミナーを経て桑沢デザイン研究所に入学、18年3月卒業。趣味は、宝塚歌劇団、落語、深夜ラジオ、旅行。学生時代より神保町に惹かれ、現在フリーペーパー「おさんぽ神保町」の表紙や本文のイラストを手掛けている。1994年、東京都生まれ。
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