新海監督「3年後、韓国と日本が仲直りして一緒に新作を見よう」
これほど大歓迎された「天気の子」だが、じつは紆余曲折があった。当初は10月初めに公開予定だったが、日韓関係の悪化を韓国映画関係者が心配し、延期されていた。新海誠監督の来韓日程も中止される可能性があったが、辛うじて実現したのだった。
それだけに、新海誠監督も喜びを隠しきれず、当初予定になかった韓国メディアの取材に応じた。
ハンギョレ(10月31日付)「3年前の約束どおり韓国の観客に会えたから『3年後』も約束します 新海誠監督ソウル記者会見」がその様子をこう伝えている。
「『君の名は。』公開の際、韓国のお客さんに「3年後、新作とともに戻ってくる」と約束しました。その約束を守ることができて嬉しいです」。新海誠監督は10月30日、記者会見でこう語った。この日、彼の新作アニメ『天気の子』が公開された。新海監督は29~30日に4回も舞台挨拶に立って韓国の観客たちと顔を合わせたのに続き、帰国を翌日に延期して、この日予定になかった記者会見を開いたのだった」
新海監督は、韓国に特別な愛情を持っていることを記者団に雄弁に語った。初の劇場版長編アニメ「雲のむこう、約束の場所」が韓国で上映されて賞をもらったこと。「その後も新しい作品をつくるたびに韓国に来て友人ができたり、おいしいものを食べたりして、思い出もたくさんできました。映画を作る時、いつも韓国の人たちがいっしょにいてくれる感じです」と語った。
実際、それまで韓国では観客動員が日本アニメ1位だった「ハウルの動く城」を抜いて370万人を記録した「君の名は。」は、クラウドファンディングで資金を集めて作った映画だが、韓国の投資家がかなりの資金を出していた。また、アニメの制作部分の多くを韓国のスタジオに依存していたのである。
記者団から「君の名は。」大成功がプレッシャーにならないかと聞かれて、新海監督は「プレッシャーはない。私の仕事は映画をヒットさせることではなく、面白い映画を作ることだ。興行がうまくいかなければプロデューサーに責任を押し付ければいいので、私は楽な気持ちで映画を作っている」と話し、笑いを誘った。そして、ハンギョレ(10月31日付)によると、日韓問題についてはこう語ったのだった。
「新海監督は最後にこのような願いを口にした。『3年後、韓国と日本が仲直りして、新作を持って戻ってきて韓国のお客さんたちと良い時間を過ごせれば幸せだと思います』」