「日本産の製品は着ないし、飲まない。だけどアニメは見たい」。――というわけで、2019年10月30日にアニメ映画「天気の子」が韓国で一斉に公開されたが、初日から大ヒットしている。
公開に合わせてソウル入りした新海誠監督も、韓国メディアからモテモテの引っ張りだこ。不買運動はアニメには関係ないのか。韓国紙で読み解くと......。
公開初日から興行収入3位に躍り出た「天気の子」
「天気の子」の公開の模様を、朝鮮日報(2019年10月31日付)「ユニクロ・日本ビールは買わなくても日本映画は見ます」が、こう伝えている。
「(ユニクロ、ビール、清酒、しょうゆ、カップ麺、日本への旅行客などが激減するなか)映画界は不買運動の影響を受けていないようだ。今月(10月)だけで『新聞記者』『天気の子』など日本映画が相次いで公開された。特に、30日に公開されたアニメ映画『天気の子』は、以前韓国で370万人の観客を記録した『君の名は。』の新海誠監督の新作で、公開と同時にハリウッド大作『ターミネーター:ニュー・フェイト』、韓国映画『82年生まれ、キム・ジヨン』に次いで興行収入3位に登場した。映画館大手のCGVとメガボックスの前売り順位も現在3位だ」
初日を終えただけで、いきなり興行収入3位につけるとは、どれだけ大ヒットすることか。朝鮮日報はこう続ける。
「映画公開が確定したとき、インターネットの各種コミュニティーサイトで不買運動が起きたのとは対照的な状況だ。熱狂的ファンたちが不買運動を上回ったと評されている。延世大心理学科のイ・ドングィ教授は『消費材は代替材が多いため別のものを選択できるが、映画のような芸術作品は絶対的であるため、他の選択肢を探すのが困難』だとして、『創意性を基にした文化コンテンツまで不買運動の対象に含めるのは無理がある。家族・子どもと一緒に楽しめるコンテンツならより友好的な反応が見られる可能性がある』と述べた」