「本命」はティファニーではなく、あのブランド?
LVMHは、クリスチャン・ディオールやブルガリといった高級服飾や宝飾ブランドだけではなく、高級時計の「タグ・ホイヤー」や「ドン・ペリニヨン」といった酒類など、世界中の高級ブランドを傘下に収めている高級ブランド界の「超巨人」です。
業績も絶好調で、オーナーのベルナール・アルノー氏は、フランスで一番の大金持ちだといわれています。
「高級ブランド界の超巨人」で、誰もが認める「勝ち組」のLVMHがなぜ、ティファニーに狙いを定めたのか――。じつは、「本命」は他のブランドだったというから驚きです。
報道によると、LVMHが本当に欲しかったのは、一族経営のエルメスやシャネルでした。数年前には、シャネルの買収に乗り出したものの失敗。高級時計ブランドの「ロレックス」は上場していないので手が出せない。そんななか、中国との貿易戦争の影響で株価が下がっていたティファニーが恰好の買収ターゲットになった、というのです。
さらに、米国マーケットに本格的に参入したいLVMHにとって、ティファニー買収は最高の足掛かりになる、という計算も背景にあります。しかも、この「モノが売れない」時代に、宝飾品の売り上げだけは世界的に伸びているというのですから、LVMHとしては何とかしてティファニーを手に入れたいことでしょう。
当のティファニーは、LVMHからの提案を「吟味している」ことを認めました。
Tiffany confirmed that it is reviewing a proposal from LVMH
(ティファニーは、LVMHからの提案を吟味していると認めた)
confirm:認める
review:見直す、吟味する
proposal:提案