【日韓経済戦争】「すわ、軟化の兆しか!」文大統領の母の死に安倍首相が弔電 驚きと期待の韓国紙を読み解く 

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   韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領の母親が2019年10月29日に亡くなったが、すぐさま安倍晋三首相が「弔電」を送ったことが、韓国紙を驚かせている。

   韓国側から見て「頑なだった安倍首相の心が軟化した兆しなのか」という期待感が高まっているようだ。いったいどういうことか。韓国紙で読み解くと......。

  • 文在寅大統領と母親のカン・ハンオクさん(中央日報)
    文在寅大統領と母親のカン・ハンオクさん(中央日報)
  • 文在寅大統領と母親のカン・ハンオクさん(中央日報)

文大統領「台風お見舞い」に安倍首相「大きな力になる」

   文在寅大統領の母親、姜韓玉(カン・ハノク)さんが亡くなったのは10月29日だった。享年92。死因は「老衰」と発表された。敬虔なカトリック教徒だった故人の遺志もあって、葬儀は与党・共に民主党幹部らを含む政界関係者の弔問や弔花をいっさい辞退する家族葬でいとなまれた。

   その葬儀場に駆け付けたのが、日本の長嶺安政駐韓大使だった。その時の模様を、中央日報(2019年10月31日付)「安倍首相、文大統領の母の死去に弔電...韓日関係と重なって『注目』」が、こう伝えている。

「10月30日、複数の与党関係者によると、長嶺大使はこの日午後5時30分ごろ、文大統領の母、故カン・ハノクさんの葬儀室を訪れた。長峰大使は弔問の途中で文大統領に安倍首相の弔電を手渡した。これは韓国政府が韓日関係の改善に向けた解決法を模索する時点と重なって注目される」

   葬儀場には、長嶺大使のほかに中国の邱国洪大使、ロシアのクーリック大使、米国のハリス大使も弔問に訪れた。文大統領は政界関係者の弔問は辞退するとしていたが、各大使から「ぜひ弔問したい」との意向が伝えられたため、外交官の弔問は受けることにした。一人ずつ弔問を受け、一人当たり約5分程度、立ったまま対話した。

   注目されたのは、その順番。青瓦台(大統領府)関係者によると、弔問は日本、ロシア、中国、米国大使の順に行われたという。母親の葬儀の場とはいえ、文大統領がいかに日本を重視しているかがわかる。

   文大統領は10月14日、日本の台風19号による被害に対してお見舞いと哀悼の意を示すメッセージを安倍首相に送っている。それに対する丁寧な謝意を示す返事も韓国メディアに期待感を抱かせるものだった。中央日報(10月31日付)がこう続ける。

「文大統領のメッセージを受け、安倍首相は10月23日、外交ルートを通じて『文大統領のお見舞いが(日本国民の)大きな力になるだろう』という内容の返答を韓国政府に送ってきた」

   こうした「安倍首相の軟化」を示す兆候もあって、韓国政府には日韓首脳会談に対する期待が高まりつつあった。聯合ニュース(10月30日付)「安倍首相が弔電 文大統領母の死去受け」がこう伝える。

「悪化している韓日関係を巡って韓国政府が解決策を模索するなか、安倍首相が弔電を送ったことで注目が集まる。韓国の李洛淵(イ・ナクヨン)首相は10月24日に東京で安倍氏と会談し、文大統領の親書を手渡した。康京和(カン・ギョンファ)外交部長官(外相)は10月30日、国会で親書の内容について、『首脳間対話はいつも開かれているという立場と、難しい懸案を克服して韓日の首脳が会えればいいという希望を表明したものと承知している』と明らかにしている」

   カン外相は、イ首相が天皇の即位礼に出席するため訪日した際、さまざまな活動を行ったことを明らかにしたうえ、安倍首相との間で「韓日関係を両国が重視しており、現在の難しい状況が持続してはならないという点を、はっきりと引き出したことが成果だった。また、外交当局間の持続的な協議を通じ、懸案を解決する努力を続けることで一致したことも成果だ」と強調した。

   カン外相自身はそうは語らなかったが、そうした「成果」が安倍首相の「弔電」と「台風の見舞いの謝意」につながったのだろうという期待が、韓国各紙の記事の行間にあふれている。

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