口座数と取引高、預かり資産を比べたら......
次に、仮想通貨の口座数と取引高、預かり資産を株式・FXと比較してみたいと思います。
【仮想通貨】
仮想通貨の口座数等に関するデータは、自主規制団体である日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)が認可済みの仮想通貨交換業者の数値として公表しています。
2019年8月の公表データによると、口座数は約300万口座、このうち稼働口座は62%とされています。また預かり資産は3792億円あり、仮想通貨では2889億円分を保有しています。
そして、取引高は約4.6兆円あり、日に1200億円程度と換算できます。しかし、2018年4月から7月にかけて、レバレッジ取引の倍率が引き下げられた影響等で、5月の13兆円から激減しています。なお、取引高の内訳は、現物取引が約5866億円。証拠金取引が約4.1兆億円となっています。参考:https://jvcea.or.jp/about/statistics/
ちなみに、コインマーケットキャップによると、グローバルの月間取引高は180兆円となり、日本の取引高が僅か3%程度と小さなものになっています。
【株式投資】
圧倒的に数が多い証券口座は、なんと2480万口座(「顧客口座数」は、保護預り残高のない口座を除く)。やはり「投資」といえば、株式というだけのことはあるようです。
一人当たり、平均3つの口座を持っているようですが、それでも株式投資家の人口は700万人以上いることになります。
そして、預かり資産は400兆円もあり、最大手の野村證券ホールディングスの預かり資産は100兆円を超えています。これは法人の預かり資産も含めますが、兆単位の預かり資産があることは間違いなさそうです。
(出所:日本証券業協会「会員の主要勘定および顧客口座数等」)
東証一部の取引高は1日2兆円程度ですから、月間で44兆円程度の売買代金がある計算となります。これだけでも東証二部や新興市場の取引高を入れると、月間100兆円程度になります。じつに、仮想通貨の20倍以上ですが、これは個人と法人、海外投資家などのすべての取引を合わせた金額です。
個人の取引額は全体の20%程度となるため、月に18兆円程度となります。
(参考データ:日本取引所グループ「投資部門別売買状況」)
それを考えると、仮想通貨の取引高が非常に多くのものに見えてきます。