「長時間労働」「低賃金」「尊敬できない上司・経営者」―― これらがブラック企業の3大要素だ。システム開発、ITコンサルティングなどを手がけるロックシステム(大阪市)の調査でわかった。
同社は、IT業界について指摘される「キツイ」労働環境の改善に取り組んでおり、「ブラック企業をやっつけろ!!」などとホームページで発信している。
大都市で「ブラック割合」が高い傾向
全国1000人の男女に対して行った「ブラック企業に関するオンラインアンケート」。それによると、労働者が企業について「ブラック」だと思う理由は、大別して「給与・手当等に関するもの」(37%)「働く時間に関するもの」(36%)「上司に関するもの」(16%)の3つ。
寄せられた答えには、それぞれについて例があげられた。賃金については、サービス残業の押し付け、仕事量が増えても給料が変わらないなど「納得できない低い給与」。勤務時間については、残業や休日出勤が絶えない「異常に長い労働時間」。そして、「上司・経営者に関するもの」では「1日14時間労働だから」などの発言、業務手当がない事務作業の押し付けがあるという。
上司・経営者のブラックぶりでは、「パワハラがひどく、辞めていく人が多い。歓迎会をしたらすぐに送別会」という声もあった。
回答者のうち、「自分の働く企業がブラック企業である」と思っている人は全体の約10%と、10人に1人の割合でブラック企業に勤務しているのが「実状」。都道府県別でみると、神奈川県(回答者96人中15人)、東京都(同161人中14人)、大阪府(同74人中8人)など、都市部の回答者にブラック企業だと思う人の割合が多かった。また男女別では、女性は女性全体の12.84%、男性は男性全体の8.49%が「ブラックと感じる」と回答した。