年間2万人の患者が来院、医師の妻が育てた病院ビジネスの手法

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カギは「事務長」にあり!

   ビジネスに疎い医師をヘルプするには、外部の専門家に経営を任せるのが一つの手だが、著者は、そうした人たちは本業の医療の面で、心理的な愛着や当事者意識が弱いことを理由に全面的に頼りにはならないという意見。大学病院や総合病院に置かれている「事務長」のような存在が、どんな病院にも不可欠という。

   夫の独立にあたり著者は、自らそのポジションに就き、自分たちの開業の目的を達することを決意。ビジネスの専門学校に通い、医療経営の専門セミナー、海外でのITセミナーに参加、税理士や社会保険労務士について「役に立つと思う知識を手当たり次第勉強した」という。

   それらを通じて「一般企業なら当たり前」のビジネス知識を身に着け、事務長としてそれを武器に、新時代のクリニック経営を展開、地域で屈指の医療機関に仕上げたものだ。

   具体的な工程については本書の後半で詳しく展開。一般のビジネスと同じく、マーケティングが重要な役割を果たすことが語られ、クリニックが「聖職」であると同時にサービス業であることを忘れず「集患」に努めることなどがのべられる。

   起業ブームが続いているといっても、医療施設であるクリニックとなると、だれもが立ち上げられるわけではないが、本書の「経営論」は起業を考えている人には大いに役立つに違いない。

「医師の妻がノウハウ0から人気クリニックを作り上げた 業界の常識にとらわれない経営」
鈴木恵子著
クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
税別1580円

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